事務局長、「林業は持続可能な未来への道筋を提供する」と会議で発言

2024年3月6日, マレーシア、サラワク州クチン

熱帯林の持続可能な経営に関する国際会議の初日、基調講演を行うシャーム・サックルITTO事務局長。写真:R. Carrillo/ITTO

2024年3月6日、マレーシア、サラワク州クチン:シャーム・サックルITTO事務局長は、熱帯林の持続可能な経営に関する国際会議の基調講演で、熱帯における持続可能な森林経営は、地球のために前進する上での実現可能な道を提供すると述べました。

マレーシアをはじめ世界各国から約200名の専門家、政府関係者、利害関係者が参加した2日間の会議では、熱帯林の長期的な活力を保全するための包括的な戦略の確立に向け、林業と持続可能な開発の接続点を探ります。

サックル事務局長は、森林、特に熱帯林は、気候変動、生物多様性の損失、貧困といった世界的な課題に対応するために不可欠であると語りました。

「熱帯における持続可能な森林経営(SFM)の効果的な実施は、かつてないほど急務となっています。」「持続可能に経営された熱帯林と、それに関連する合法的かつ持続可能な木材サプライチェーンは、熱帯林の長期的な持続性を確保すると同時に、森林と生物多様性の保全、責任ある生産と消費に取り組むために不可欠です。」

サックル事務局長は、熱帯木材やその他の林産物の持続可能な伐採、加工、取引は、世界中の消費者への供給、地域経済や国家経済への貢献、熱帯林の価値向上など、多くの目的を果たすものであり、森林の他の経済的な土地利用への転換を減らす重要な要素であると述べました。

「持続可能な経営がなされれば、熱帯林は健全で、生産的で、再生可能な生態系となり、地球規模の課題に対する自然ベースの解決策に貢献します。」とサックル事務局長は語りました。加えて、持続可能な森林経営は、持続可能な開発のための2030アジェンダと持続可能な開発目標の大半を達成するために不可欠なものです。

サックル事務局長は講演の中で、今年後半に発表されるITTO報告書を基に、1990年から2020年までの熱帯木材生産と貿易の動向について発表し、また、合法的で持続可能な木材サプライチェーンと持続可能な木材利用を促進するためにITTOが実施している取り組みについて概説しました。

最後にサックル事務局長は、熱帯における持続可能な森林経営、森林を基盤とする企業、国際熱帯木材貿易は、環境、経済、生活に貢献することで熱帯林に付加価値を与える手段であると述べました。

「熱帯林での伐採が森林破壊につながる、あるいは助長するという誤解を解くことが重要です。」とサックル事務局長は指摘しました。「木材は、合法的かつ持続可能な方法で調達、加工、使用されれば、再生可能で、炭素を蓄積し、リサイクル可能な素材であり、持続可能性の礎となるのです。」

この会議には、学界、民間企業、政府、NGOから講演者が参加しました。サックル事務局長は、基調講演に加え、「クライメイト・スマートな持続可能な森林経営 - どのような選択肢があるか?」というテーマのセッションで、モデレーターを務めました。

会議のオンライン冊子は以下よりダウンロード可能です(英語)。

プレゼンテーション資料はこちらから閲覧できます(英語)。

2024年3月11日付のThe Star紙に関連記事が掲載されました。こちらから閲覧できます(英語)。

 

熱帯林の持続可能な経営に関する国際会議初日の講演者と参加者。写真:サラワク木材協会