木材市場の低迷が続く ブラジルとメキシコでは大幅に改善

2024年1月16日

ブラジルのフローリング工場で働く労働者。写真 R. Carrillo/ITTO

2024年1月16日:セクター全体の業績が悪化しているにもかかわらず、2023年12月にブラジルおよびメキシコの木材市場が顕著な改善を示したことが、本日発表された世界木材指標(GTI)レポートの最新版で報告されました。ITTOが支援するGTIレポートは、世界7カ国の木材セクターを追跡調査しています。

メキシコ(40.9%)とブラジル(49.7%)の12月のGTI値は、未だ50%の基準値を下回っているものの(木材セクターが全体的には成長していないことを示す)、11月と比較してそれぞれ12.1ポイントと7.2ポイント上昇しており、この2カ国では木材セクターの低迷が緩和されたことを示唆しています。ブラジルでは、新規受注量の増加が顕著でした。

ガボンとコンゴ共和国では、12月のGTI値がそれぞれ1.9ポイント、2.7ポイント上昇しましたが、いずれもまだ50%の基準値を下回っています。インドネシアと中国の木材市場は、ともに11月と比較して受注量(輸出を含む)が増加しましたが、両国の企業の多くは在庫を削減する傾向にあり、生産と供給に顕著な改善は見られませんでした。

アフリカ、アジア、中南米・カリブ海地域の3つの熱帯地域では、12月の豪雨による土砂崩れ、鉄道の損傷、物流の混乱などの困難な状況が、木材の輸送、生産、ビジネスに影響を与えました。

熱帯地域のGTI6カ国(ブラジル、ガボン、インドネシア、マレーシア、メキシコ、コンゴ共和国)の企業は、その他の課題についても報告しています。例えば、ブラジルの企業は、プラスチック、アルミニウム、中密度ファイバーボードなどの木材の代替品が製品販売に影響を与えており、さらには、アマゾン川の水位低下とコンテナの利用制限により、伐採量が減少していると報告しました。ガボンの企業は、大雨のために生産に必要な資源を確保することが難しくなり、一部の企業は丸太を予定通りにバイヤーに届けることができなかったと報告しました。マレーシアの企業は、世界経済への紛争が世界市場における木材需要に影響を及ぼしかねないと懸念を表明しました。メキシコの企業は、製材所まで丸太を運ぶ設備が不足しているため、林業活動に支障が出ていると述べました。

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