生産国における木材セクターの低迷が緩和

2023年12月15日

メキシコ、オアハカ州サンペドロのコミュニティ所有の製材所で製材され、風乾された木材。写真:ITTO

2023年12月15日:本日発表された世界木材指標(Global Timber Index: GTI)レポートの最新版によると、マレーシア、メキシコ、その他の木材生産国における木材セクターの低迷は11月に緩和の兆しを見せています。

ITTOが支援するGTIレポートでは、中国(熱帯木材の主要な消費国)と6つの主要熱帯木材生産国(ブラジル、コンゴ、ガボン、インドネシア、マレーシア、メキシコ)からなる7つのパイロット国の木材セクターを追跡調査しています。生産国6カ国のGTI値は、11月にはすべて、基準値である50%を下回り、木材セクターの衰退を示しましたが、前月と比較するとすべての国で値が上昇しており、6カ国の木材セクターの減少傾向の緩和が示されています。最も好転したのはマレーシアで、指標は9.9ポイント上昇し、メキシコ(5.9ポイント上昇)、ガボン(4.6ポイント上昇)と続いています。

中国では11月は通常、木材市場の最盛期であり、市場の需要と供給の両方が10月と比較して、増加しました。

GTI参加企業は、各国の木材セクターに関する最新情報も提供しています。例えば、ブラジルの企業は、雨が輸送に大きな影響を与えたと報告しました。そのため、顧客に期限通りに納品できなかった企業もあります。一方、混乱によって原木の供給が減少したため、原木の需要が増加しましたが、必ずしも木材生産と製造の収益性向上には結びついたわけではありませんでした。ガボンとインドネシアの企業は、燃料油(ディーゼルなど)の高騰が生産コストを上昇させたと述べました。メキシコの一部の企業は、輸送能力が不十分なため、森林から製材所への丸太の輸送に時間がかかり、生産が停滞していると報告しました。インドネシアの企業は、原木価格が低いにもかかわらず、製品に対するバイヤーの要件は依然として厳しい(超高品質で森林管理協議会認証のもの)ことを指摘しました。また、インドネシアの企業からは、持続可能なかたちで経営された合法的な森林から供給された木材や木材製品に対するインセンティブを求める声も上がりました。

グローバル・リーガル&サステナブル・ティンバー・フォーラム(GLSTF)2023が11月21~22日に開催されました。中国のマカオ特別行政区で開催されたこのフォーラムは、ITTOとマカオ貿易投資促進院(IPIM)の共催で「世界の熱帯木材市場の回復を促進するために、つながり、協力し、共有する」というテーマのもとで実施され、合法的で持続可能な木材貿易を促進し国際的な協力と交流を強化するための重要なプラットフォームを提供しました。フォーラムの詳細については、GLSTFのウェブサイト、https://www.glstf.net/index_en.htmlをご覧ください。

GTIマンスリーレポート各号(英語)は、https://www.itto.int/ja/gti/にて無料でご覧いただけます。

最新のGTIレポート(英語)はこちらからダウンロードできます。