合法的で持続可能な木材サプライチェーンは自然ベースの重要なソリューション、ITTO事務局長が指摘

2023年10月18日

インドネシアのベニヤ板工場。持続可能な林業と合法的で持続可能なサプライチェーンは、地球環境に対する危機の解決に貢献します。写真:MY Massijaya

2023年10月18日:10月16日、シャーム・サックルITTO事務局長は、オーストラリアとニュージーランドの森林関連組織によるANZIF会議の基調講演で、合法的で持続可能な熱帯木材サプライチェーンの重要性を強調するとともに、持続可能な熱帯林業と森林関連企業への投資を増やし、より循環型のバイオエコノミーにおいて、人々と環境のための包括的で強靭なソリューションを促進するよう呼びかけました。

「森林、特に熱帯林は世界的な問題の渦中にあります。」とサックル事務局長は述べました。「この重要な生態系を脅かす複雑な問題に対処するためには、協調的な取り組みが急務であり、森林の持続可能な利用は効果的な自然ベースのソリューションの中で大きな役割を果たします。」

ANZIF会議は、オーストラリアとニュージーランドの林業専門家にとって貴重なイベントです。2023年度の会議は、オーストラリアのツイードヘッズで、「自然資本を抱擁する:あらゆる価値のための森林経営の科学、技術、アート」というテーマで開催され、450人近くの森林関係の科学者、専門家、生産者らが参加しました。

「森林は地球上の生命にとって不可欠なものです。」と、サックル事務局長はビデオによるスピーチとその後のコメントで、参加者に語りかけました。「森林が持続可能なかたちで経営されれば、土壌や水を保全し、空気をろ過し、土地の劣化を防ぎ、自然災害のリスクを軽減することができます。」

サックル事務局長は、持続可能な林業は地球環境の危機の解決に貢献すると述べました。そのためには、合法的で持続可能な木材サプライチェーンこそが重要であり、またそれ故、合法的で持続可能な木材サプライチェーンはITTOの重要なプログラムラインとなっています。

「この分野におけるITTOの活動は、最も費用対効果が高く環境に優しい素材として木材を利用することの重要性を強調しています。」

「ITTOのプロジェクトは、カメルーン、エクアドル、グアテマラ、パナマ、フィリピンで木材追跡システムの確立に成功しています。」「このようなシステムは、サプライチェーン全体の効率を高め、違法伐採と闘うことができるのです。」とサックル事務局長は述べました。

サックル事務局長は、様々なステークホルダーの参加とジェンダー平等も持続可能な林業の重要な要素であると語りました。

「持続可能な林業がもたらす社会的、環境的、経済的な恩恵を最大化するためには、意思決定において地域コミュニティ、特に女性をエンパワーすること、またジェンダー平等を確保することが不可欠です。」

サックル事務局長は、持続可能な熱帯林業は持続可能な開発目標のほぼ全てに貢献しているにもかかわらず、国際的にも国内的にも資金が不足していると指摘しました。

「持続可能な熱帯林業への投資を増やすことは、包括的で強靭なソリューションを推進するために不可欠です。」とサックル事務局長は述べました。

基調講演の後、双方向の質疑応答セッションが行われ、サックル事務局長と参加者が交流を深める機会となりました。