熱帯木材の国際需要は依然低迷、業界は政府の介入を求める

2023年10月17日

マレーシアの製材所での品質管理トレーニング。写真:T. Yanuariadi/ITTO

2023年10月17日:本日発表された2023年9月号の世界木材指標(Global Timber Index: GTI)のレポートでは、国際市場における長期的な需要低迷による負荷に悩まされているマレーシア、ガボン、その他の国々の木材産業において、企業が政府に対応を求めていると報告されています。

ITTOが支援するGTIレポートは、熱帯木材の主要な生産国諸国と最も有力な消費国である中国の主な木材企業への調査に基づいて編集されています。GTI指数は、中国(37.3%)、コンゴ(34.2%)、ガボン(30.7%)、マレーシア(37.2%)、メキシコ(32.3%)と、いずれも9月にわずかに低下(GTI値が50%以下の場合、セクターの縮小を示す)。GTI参加企業による新規受注件数は、5カ国すべてで前月より減少し、特にコンゴとガボンでは輸出受注が著しく減少しました。

ブラジルとインドネシアは、前述の国々よりは悪い状況ではありませんでした。ブラジルでは、国内受注、輸出受注、生産など、いくつかの需給指標の低下傾向が緩和され、9月のGTIは7.2ポイント上昇の43.3%となりました。インドネシアでは、国内新規受注の減少が鈍化。しかし主要輸出先(特に日本)の合板需要は引き続き弱く、参加企業では輸出受注、生産量ともに減少しました。

ブラジル、コンゴ、ガボン、インドネシア、マレーシア、メキシコのGTI参加国6カ国の企業は、調査回答の中で、輸出を刺激し、国内市場を活性化させる手段について提案を行いました。例えば、マレーシアの企業は、建材や住宅・オフィス家具の需要を刺激するために、政府が公共建築物の建設への支出を増やすことを提案しています。インドネシアの企業は、合法的かつ持続可能な方法で経営された森林から調達された木材加工製品に対するインセンティブを提案しました。コンゴの企業は、同国が合板の輸入をコントロールし、輸出品目に対する規制を緩和することを望んでいると表明しました。メキシコの企業は、政府が関税を課すなどして輸入木材に制限を課し、消費者が国産木材製品を優先的に購入するよう奨励することを望んでいます。

各国企業は全体として、国際市場が低迷する中、政府が木材市場を規制し、業界を支援するために対応する介入措置をとることを望んでいます。

GTIマンスリーレポート各号(英語)は、https://www.itto.int/ja/gti/にて無料でご覧いただけます。

最新のGTIレポート(英語)はこちらからダウンロードできます。