サラワク州アッパーバラムの森林における持続可能な森林経営のための共同プロジェクト、第1回運営委員会開催
2023年10月5日
2023年10月5日:2023年9月25日、マレーシアのサラワク州アッパーバラム・フォレストエリア(Upper Baram Forest Area: UBFA)における共同森林経営とコミュニティ・エンパワーメントを促進する2つのITTOプロジェクトの第1回運営委員会(project steering committee: PSC)が、サラワク州の町ミリで開催されました。この2つのプロジェクトは、サラワク州北東部の28万3,500ヘクタールに及ぶ地域を対象としています。
PSC会合には、日本政府、バーゼル市(スイス)、ブルーノ・マンサー基金などのドナー代表、政府機関、非政府組織(NGOs)、UBFAの30人近いコミュニティ代表など、主要な利害関係者がすべて参加しました。会合の中で見られた団結精神はステークホルダーがミッションを共有することの重要性を示し、また関係者の多様さは、熱帯諸国における持続可能な森林経営の複雑さを浮き彫りにしました。
シャーム・サックルITTO事務局長は会合の中で、「私たちは、アッパーバラム・フォレストエリアの政府および利害関係者と協力し、これらの重要なプロジェクトが成功裏に実施されるよう力を尽くします。」と述べました。「これらのプロジェクトは、UBFAにおける生物多様性を保全し、地域コミュニティの生計を向上させることによって、統合的で持続可能な経営を促進するというサラワク政府のコミットメントに貢献するものであると同時に、ITTOの持続可能な森林経営(SFM)自主的ガイドラインや昆明・モントリオール生物多様性枠組(Kunming-Montreal Global biodiversity framework)といった国際的な指針を遵守するものです。」
また、サラワク州森林局のダトゥ・ハムデン・ビン・ハジ・モハマド局長(YBhg. Datu Haji Hamden bin Haji Mohammad)は、サラワク州の既存の政策や規制を遵守しながら、UBFAのすべてのステークホルダーにとってWin-Winの状況を実現し、すべての人にとって有効なプラットフォームを確立することの重要性を強調しました。
UBFAのコミュニティは、透明性を提唱し、環境保護と社会経済発展の両立を訴えてきた長い歴史があります。ハムデン局長は、サラワク州では同州首相のリーダーシップのもと、環境保護と森林資源の持続可能性に重点を置いた森林政策改革を進めてきたと語りました。また、ITTOの2つのプロジェクト(PD 902/19 Rev.3(F)とPP-A-59-352)が、政府、地域コミュニティ、その他のステークホルダー間のコミュニケーション・ギャップを埋める一助となることに期待を寄せました。
PSC会合に続き、9月26日の夕方には、ミリから車で9時間のロング・セミヤン(Long Semiyang)で、地元コミュニティとの交流会“Meet and greet”セッションが開催されました。この会合には60人近くの熱心な地域住民が参加し、全員がプロジェクトの実施を心待ちにしていました。
「私たちはプロジェクトの成功に大きな期待を寄せています。」と、UBFAのケニャ村を代表するロング・セミヤン村のヨハネス・ニョク・ランガット村長は語りました。ペナン・コミュニティの擁護を行うNGO、KERUANのコメオク・ジョー氏は、ITTOプロジェクトの実施を通じて政府と協力し、この地域のペナン・コミュニティの生活向上のためにKERUANが実施している様々な活動を補完することを楽しみにしていると述べました。
「これはアッパーバラム・フォレストエリアにとって非常にエキサイティングな瞬間です。」とサックル事務局長は述べました。「プロジェクトに参加するコミュニティは、すべてのコミュニティに利益をもたらすITTOの2つのプロジェクトの目的と期待される成果について、サラワク森林局とITTOを含む様々なパートナーの支援を受けながら、よりよく理解する必要があります。私たちは共に、アッパーバラム・フォレストエリアで、協力の精神、強力な地域のリーダーシップ、そして成功の共有を促進しながら、統合的な持続可能な森林経営を目指す旅に出るのです。」