ITTOプロジェクト、スマートフォンで林産物の木材量を計算するアプリを公開

2023年6月9日

写真:グアテマラ国立森林研究所(INAB)

2023年6月9日、横浜: グアテマラ国立森林研究所(INAB)が実施するITTOプロジェクトでは、写真といくつかの簡単な測定だけで丸太の体積を計算することができるスマートフォン用ソフトウェアを開発しました。このアプリは、製材、板材、丸ビレット、おがくず、チップ、薪炭材、木片、木炭などの製品用に丸太のスケーリング(計測)を行うこともできます。

CUBIFOR (Cubicación de Productos Forestales -林産物スケーリング)と呼ばれるこのアプリは、ITTOプロジェクト「グアテマラの林産物チェーンにおけるトレーサビリティ向上のためのメカニズム導入」(英語)の成果です。同じくプロジェクトで作成された「Guía Práctica para la Cubicación de Productos Forestales」(林産物スケーリングの実践ガイド)」で定められた手法、製品、計算式に基づいています。

INABの林業責任者であるアントニオ・アルビズレス氏は、「従来の輸送中の丸太の量を測定する方法は、長いプロセスを必要とします。積み上げられた丸太の断面をすべて測定し、平均直径を求め、それをもとにスタッキングファクターを算出しなければなりません。これは非常に時間がかかるため、効率が悪くなり、運用コストが高くなります。」と語りました。

CUBIFORは、トラック上またはログスタック内の丸太の写真だけで、体積を推定し、さらにスタックの平均幅と長さを推定することができるため、簡単に使用することができます。アプリはそれぞれの丸太の断面を認識し、平均直径とスタッキングファクターを計算します。計測された体積のレポートはExcelやPDF形式でダウンロードすることができます。

アルビズレス氏は、「このアプリが、林業に関わる企業の森林経営の改善や、社内の在庫管理の強化をはじめ、木材量の定量化を必要とするあらゆる活動に役立つことを期待しています。」と述べています。

「これは、ITTOプロジェクトがもたらす、持続可能な森林経営の実践を後押しする実用的なイノベーションの一例です。」と、シャーム・サックルITTO事務局長は述べました。「ITTOは、熱帯地方全域で本ツールやその他のツールの導入を支援する準備ができています。」

CUBIFORは無料でダウンロードでき、Androidで利用可能です(スペイン語のみ利用可能)。


関連するSDGs

CUBIFOR(Cubicación de Productos Forestales -林産物スケーリング)と呼ばれるこのアプリは、森林業務の効率と精度を高めます。

このプロジェクトは、林産物チェーンのトレーサビリティを促進するメカニズムの強化を通じて、林産物のモニタリングに関するグアテマラの関係組織の能力を高めることを目的としています。

持続可能な方法で経営された熱帯林とそれに関わるサプライチェーンは、現場での実践を改善することで気候変動の緩和に貢献することができます。

木材やその他の林産物のフローに関するモニタリングを改善することで、現場での持続可能な森林経営の実践を促進することができます。