訃報:ヒラス・シダブタール氏

2023年2月22日

2018年にITTOプロジェクトの一環としてインドネシアのポンティアナックで開催されたリージョナル・ワークショップで講演するヒラス・シダブタール博士。写真:環境林業省 森林保全・自然保護総局

2023年2月22日、横浜:ITTOは、2023年2月21日にインドネシアのジャカルタで亡くなった元職員のヒラス・シダブタール氏を深く悼みます(享年77歳)。シダブタール博士は2003年から2007年までITTO事務局の重要なメンバーであり、また職員としての活動以外にも、ITTOのために、そしてさらに広義の持続可能な林業のために多くの役割を果たしました。

シダブタール博士は、熱帯地方での持続可能な森林経営の普及と、森林に関わる人々の経済的機会の創出に、自身のキャリアを捧げてきました。アジア太平洋地域のITTOプロジェクトオフィサーとして、熱帯林資源とその持続可能な開発に関する活動のモニタリング、加盟国から提出されたプロジェクト案の評価、実施中のプロジェクトのモニタリング、完了したプロジェクトの評価とその影響のアセスメント、加盟国への森林再生と森林経営に関するアドバイスの提供などを担当しました。

シダブタール博士は、ITTOを退職した後も高い評価を得ていた森林学者で、そのスキルと経験をさまざまな場で活かしました。例えば、一次産品共通基金或いはコモンファンド(Common Fund for Commodities: CFC)の諮問委員会のメンバー、ITTOプロジェクト「インドネシアとサラワク間の越境生態系としてのベトゥン・ケリフン国立公園における生物多様性保全の促進」のコーディネーター、北スマトラにおける再生可能木材利用エネルギー促進のためのITTOプロジェクトにおける経営アドバイザーなどを、特筆すべきものとして挙げることができます。また、ITTOのプロジェクト提案の評価のための専門家パネルにも、長年在籍しました。シダブタール博士は、ワシントン大学で博士号を、アイダホ大学で森林資源学の修士号を取得しています。

温厚な人柄のヒラスは、同僚だけでなく、彼が働いていた地域社会でもとても人気を集めていました。歌声が素晴らしく、カラオケが大好きで、友人と一緒に歌うのが何よりの楽しみにしていました。ITTO事務局の友人たちはもちろん、林業関係者の多くの人々が彼を惜しむことでしょう。彼は、妻のベティと5人の子どもたちを残して旅立ちました。

シダブタール博士のご家族にお悔やみのメッセージを送付される方は、事務局から確実にお伝えしますので、件名を "Hiras Sidabutar "としてitto@itto.int宛てにお送りください。