合法的な木材供給を増やすためにはコミュニティ企業を支援すべき―ITTOが提言

2023年2月20日

このインドネシア西ジャワ州のように、コミュニティ林業企業が支援されれば、法的に認められた木材のフローに大きく貢献することができます。写真:T. Yanuariadi/ITTO

2023年2月20日:テトラ・ヤヌアリアディITTOプロジェクトマネージャーは、特に熱帯地域におけるコミュニティ林業企業への支援強化がアジア太平洋経済協力会議(APEC)参加国の国内市場における合法伐採木材やそれらによる木材製品の生産、取引、流通を強化するだろう、と述べました。

ヤヌアリアディ博士は、2023年2月17日から18日にかけて開催された「APEC違法伐採及び関連する貿易専門家グループ(Experts Group on Illegal Logging and Associated Trade: EGILAT)」の第23回会合でビデオプレゼンテーションを行い、その後、この点を指摘しました。同会合は、米国カリフォルニア州のパームスプリングスで開催されたAPEC第1回高級実務者会議(SOM1)に付随して実施されたものです。

「ITTOの経験から、コミュニティ林業企業(community forest enterprises: CFEs)への支援が行われれば、CFEsは合法的に認可された木材のフローに大きく貢献することができることがわかりました。」とヤヌアリアディ博士は述べました。「同時にCFEsは、劣化し、破壊されていた森林景観において、生態系機能を改善し、人々のウェルビーイングを向上させるのにも効果的です。」

さらにヤヌアリアディ博士は、APECの2022年から2024年の政策テーマである「合法的に伐採された木材による製品の取引と流通の促進:合法木材への進路(Advancing the trade and distribution of legally harvested forest products: Navigating to legal timber)」を前進させるためには、CFEsへの支援を強化することが不可欠であると述べました。

博士は、インドネシア、タイ、ベトナムの国内市場における持続可能な木材利用の促進を目標にした取り組みなどを例に挙げ、CFEsを対象に合法的な木材生産の増加を目指して実施した能力構築などのITTOフィールドワークについて説明しました。

「ITTOは加盟国、ドナー、その他の関係者に、熱帯地域全域でこのようなプロジェクトの規模を拡大するよう働きかけています。」とヤヌアリアディ博士は述べました。

21のAPEC参加国における森林面積は21億9,000万ヘクタールで、これは世界の森林面積の半分以上に相当し、林産物の国際貿易の約80%を占めています。2010年、APEC首脳らは、違法伐採とそれに関連するあらゆる種類の取引に関する懸念に対処し、持続可能な森林管理と再生を促進するために協力を強化することを約束しました。この使命を果たすために、APECは2011年にEGILATを創設しました。ITTOは2016年からEGILATに積極的に貢献しています。

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