ITTO、メコンのチークに関する新しい報告書を発表
2022年9月7日

タイ、パヤオ県、メーガー育種研究所でチークのクローン試験用に準備された苗木。写真:ITTO
2022年9月7日、ガーナ、アクラ:ITTOは、この度、メコン地域のチークの植林、経営、収穫、加工、そしてサプライチェーンにおける合法性と持続可能性を実証するためのベストプラクティスを紹介する、チーク専門家による報告書を公開しました。ITTOプロジェクトの成果である同書は、チーク材のサプライチェーンに関わる政策立案者や実務担当者にとって必読の書となることでしょう。
報告書「持続可能な未来のためのメコンのチーク」(原題:Teak in the Mekong for a Sustainable)は、ドイツ連邦食糧・農業省(BMEL)の支援を受けたITTOの大メコン圏におけるチークプロジェクトの一環として作成され、今週アクラで開催された第4回世界チーク会議で発表されました。
「チークは疑う余地もなく世界で最も優れた熱帯広葉樹で、現在アフリカ、アジア太平洋、ラテンアメリカの70カ国以上で植えられています。」と、シャーム・サックルITTO事務局長は述べました。
「持続可能なチークの生産は、新型コロナウイルス感染症の大流行からのグリーンリカバリー(緑の復興)と持続可能な未来への移行において重要な役割を果たす可能性があるので、本書はまさにタイムリーなものと言えるでしょう。」
サックル事務局長は、BMELによるチーク林の保全と持続可能な経営、合法的で持続可能なチーク材のサプライチェーンへの支援を評価しました。
本書は読者に、大メコン圏におけるチークの分布、育林活動、チーク遺伝資源の生息域内・域外双方での保全に関する研究、チーク林の持続可能な経営、チークの認証制度に関する重要な情報を提供します。また、チークの研究、育林、経営、認証、貿易の様々な側面について、政策関連の課題を設定し、地域内および国際的な協力関係を強化するための提言を行っています。
本書の編集者の一人であるカセサート大学のヨンユット・トライスラット博士は、「チーク貿易の未来は、熱帯地方の適切な生息地でこの木を育てる何百万もの小規模所有者が鍵となり、本書ではその点に焦点を合わせています。」と述べました。
「持続可能な方法で生産されたチーク材には今後も大きな需要が見込まれています。小規模所有者は十分な情報とサポートがあれば、この需要に応える上で大きな役割を果たしつつ、恩恵を受けることができます。」
大メコン圏におけるITTOチークプロジェクトは、カンボジア林業局、ラオス国立農林研究所、ミャンマー森林研究所、タイ王室森林局、ベトナム森林科学アカデミーが、タイのカセサート大学の支援を受けて実施しているものです。
本書は英語で提供されており、ITTOとTEAKNETのウェブサイトから入手可能です。
出版物(英語)は以下よりダウンロードできます。