アースデー:持続可能な熱帯林業の重要性を認識

2022年4月22日, 横浜

ガイアナの原生熱帯林。写真:ガイアナ森林委員会

横浜、2022422: 地球は気候変動、生物多様性の損失、貧困などの数々の危機に直面しており、持続可能な解決策が早急に必要とされています。熱帯林の持続可能な利用は、人々が十分な生活を送ることを可能にするとともに、環境と社会経済の双方のニーズのバランスを取ることに貢献します。私たちはアースデーの今日この日に、人類が直面している危機へ対応することができる熱帯林の可能性を称えます。

熱帯林は18億4,000万ヘクタールを覆い、世界における陸域の生物多様性の大部分を有し、大量の炭素を貯蔵しています。推定16億人の人々が、物資(食料、燃料、飼料、住居など)、生活、雇用、収入を森林(主に熱帯林)に依存しています。

持続可能な方法で経営された熱帯林や森林外の木々は、土壌と水を保全し、私たちが呼吸する空気を清浄化し、土地の劣化や砂漠化を防ぎ、洪水、地すべり、干ばつなどの災害のリスクを軽減し、土地の生産性を維持します。熱帯地方の広範囲にわたる劣化した森林を回復し、既存の森林を持続的に経営すれば、温室効果ガスが大気から除去されるとともに、生物多様性の保全が改善され、雇用が提供され、持続可能な消費のための再生可能なバイオマテリアル(生物材料)が供給されるでしょう。

「今年のアースデーのテーマ、『私たちの惑星への投資』は、時宜を得たものです。」とシャーム・サックルITTO事務局長は述べました。「持続可能な熱帯林業は、持続可能な生産と消費を促進しながら、私たちが直面する膨大な課題のいくつかの解決に役立つ大きな可能性を持っています。私たちの惑星への投資は、すべての人によって尊重されなければなりません。」

ITTOは先日、熱帯林への投資の促進を目的とした報告書を発行しました。「熱帯木材2050:熱帯木材のこれからの需要・供給と持続可能な経済への貢献の分析(原題:Fiscal and Non-fiscal Incentives for Sustainable Forest Management, Tropical Timber 2050 and Not Only Timber[1] )」は、人類と地球の幸福のために熱帯林の価値を最大限に引き出す革新的なアプローチを探求しています。

ITTOの使命は、熱帯木材生産林の持続可能な経営と、持続可能な方法で経営され合法的に伐採された森林からの熱帯木材の取引を促進することです。熱帯諸国における森林の保全、再生、持続可能な利用への官民による投資の拡大を支援し、合法的で持続可能な木材サプライチェーンを推進し、森林の利用者と木材製品の国際的な取引に公正な結果をもたらすよう奨励します。

「熱帯林は、地域レベルでも地球レベルでも、非常に重要です。」とサックルITTO事務局長は語ります。「熱帯林と、そこから生計を立てている人々に投資すれば、私たち全員に大きな配当が与えられるでしょう。」
 


[1] 参照URL: www.itto.int/ja/technical_report