ITTOと中国が持続可能な熱帯木材に関する協力を強化

2017年9月26日

ゲアハート・ディタレITTO事務局長(左)と張建龍 中国国家林業局長  写真提供:中国国家林業局

ITTOと中国政府は熱帯林資源の持続可能な経営、利用と貿易、そして南南協力を可能にするための協力を強化していくことになりました。このことは、中国を最近訪問したゲアハート・ディタレITTO事務局長が国家林業局長の張建龍氏と行った会議により決定しました。
 
この会議でディタレ事務局長はITTOと国家林業局はすでに密接な協力関係にあることを強調し、中国は国際森林レジームにおいて益々重要な役割を担っていることから、同国との連携強化は最終的にはITTO全加盟国にとっても役立つだろうと述べました。
 
張局長は熱帯林資源の保全、持続可能な経営、利用と貿易を促進するというITTOの独自の役割について認め、さらにITTOがプロジェクトを通じて中国に技術支援を行っていることについて感謝の意を伝えました。ITTOと中国国家林業局は森林経営や林産業、木材貿易の分野で今後さらに協力体制を取っていくことを約束しました。
 
ディタレ博士は今回の中国訪問の間に商務部(ITTOのフォーカルポイント)も訪問し、商務部副部長の王受文氏に会いました。王部長は両者の30年に以上に渡る協力関係について満足感を表し、このような協力関係が今後拡大することを期待していると述べました。中国が熱帯木材の世界最大の消費国であり熱帯木材製品の輸出国であることから益々リーダーシップの役割が求められており、こうした役割はITTOの目標に対して支持していくことで強化されるとディタレ博士は話しました。 そして両国は、熱帯林資源の持続可能な経営、利用、貿易に関する協力を強化し、南南協力を可能にすることに合意しました。
 
ディタレ博士は今回の中国訪問の機に、中国林業科学研究院と持続可能な森林経営のためのアジア太平洋ネットワーク(APFNet)との覚書に署名し、さらには国際竹籐センター(ICBR)、国際竹籐ネットワーク(INBAR)、上海の最大規模の木材会社15社との連携についても話し合いました。
 
ディタレ博士と中国林業科学研究院のチャン・ショウグン院長との会合では、両機関の代表として覚書に署名し、持続可能な森林経営に関する国際的な能力開発とトレーニング、付加価値製品のための木材加工、そして持続可能な木材貿易を促進していくことになります。
 
また、ディタレ博士とAPFNetのチュ・グイリン事務局長は、両組織のマンデートに関連する戦略的方針、プロジェクト、能力育成に関する共同事業の選定や開発、実施を目的とした覚書を締結しました。

さらには、ICBRの江沢慧事務局長、INBARのハンス・フリードリッヒ博士とも会い、今後の竹と籐に関する協力について話し合いました。 ICBRとINBARは、2018年6月に中国で開催される竹と籐に関する第一回世界会議にITTOを招待しました。
 
上海では、最大規模の木材企業15社のトップとのラウンドテーブル会議にも出席し、熱帯木材の世界的な状況と法的および持続可能な森林製品のサプライチェーンの新たな動向について、ディタレ博士が概要を説明しました。また、ITTOは熱帯木材の生産者と消費者の連携と協力を促進し、「グリーン」サプライチェーンを達成するための取り組みを支援しているとも指摘しました。このラウンドテーブル会議に積極的に参加した業界のリーダー達は、ITTOの協力を得てグリーンサプライチェーンを実現する仕組みの開発に大きな関心を寄せました。