マングローブに対する緊急対策を求める
2017年4月28日

持続可能なマングローブ生態系に関する国際会議の閉会セッション。 (写真左から:H.O. マ博士 (ITTO); A. ジャスティアント博士(MOEF); S. ババ博士(ISME)
同会議は4月18日~21日にかけてインドネシアのバリで開催され、世界25カ国の約300名の政策立案者、研究者、マングローブ開業者と地域コミュニティーの代表者らが出席しました。会議で発表された論文では、十分な投資を行えば持続可能な形でのマングローブ林の管理を実践することは、二酸化炭素吸収源の保全や強化、そして気候変動に適応できるだけでなく、国連の持続可能な開発目標5,13,14、および15を達成するために重要な役割を果たすと述べています。さらに会議では、女性が主導的な役割を果たすことが世界的に劣化したマングローブの再生と修復への鍵となり、持続可能なマングローブの管理を成功に導くには地域社会が関わることが大切だとの見解が示されました。
この会議で“持続可能なマングローブ生態系に対するバリ行動要請”を公表し、会議参加者らは以下の通り次の5つの重要な対策を挙げました。この対策が実施されれば、マングローブ生態系を持続的に保護、拡大、管理できるようになるとされています。
- 国家政策および法律における持続可能なマングローブ管理の優先付け及び森林法施行の強化。
- 土地利用計画の促進、土地所有者と使用者の権利の明確化、地元コミュニティー、特に女性のエンパワーメント。
- 最良の(または最も適切な)マングローブ林の再生戦略及び実践を用いて、マングローブ林の再生を効果的に実施。
- マングローブに基づく気候変動緩和・適応策を拡大するための資金調達メカニズムへのアクセスを促進。
- マングローブの管理と変化に関する知識の創出と普及
本会議は、ITTO、インドネシア環境林業省、国際マングローブ生態系協会(ISME)の共催ならびにアセアン AFoCo事務局(the ASEAN-Republic of Korea Forest Cooperation)、国際林業研究センター(CIFOR)、FAO、米国森林局、インドネシアのマングローブ関連市民社会グループと民間セクターの後援、そして日本と米国政府からの資金提供を受けて実施されました。