国際森林デーを祝して:コートジボワールの持続可能な木炭

2017年3月21日

MALEBI女性グループの女性がコートジボワールのアフア保全林で採取した薪を運んでいるところ。MALEBIは村落の木炭ビジネスを持続させ、アフアの森林を回復するためのITTOプロジェクトPD 725/13 Rev.2 (F)を実施している。写真提供:MALEBI

2009年にITTOから小規模の助成金を受けて、コートシボワールの女性グループが地域コミュニティの生活水準を向上させるとともに、森林保全の大切さについての意識を高めるために、効率的でエコな技術を用いて木炭の生産高をあげる活動を始めました。現在この女性グループMALEBIは、木炭の生産に必要な木材を持続的に供給するために、近隣のアフア保全林を再生・回復するためのさらに大規模なITTOのプロジェクトを実行しています。

コートジボワールでは、ほぼ75パーセントの家庭が日々の生活に必要なエネルギ―を得るために木炭か薪を使っています。木炭の生産量は2012年までの10年間に22パーセント増え (2003年に40万850トンだったのが2012年には48万8128トンに増加)、薪の生産量は同時期に4パーセント増加し、903万m3 になっています。(1)

アフア保全林はディンボクロとアビジャン近郊の住民が調理や暖房に必要とする木炭を作るための木材を供給しており、この木炭ビジネスは女性と若者に多くの雇用を生み出しています。MALEBIの女性たちは木炭ビジネスに関わっていますが、森の劣化した状態を危惧するようになりました。そこで、ITTOのプロジェクトPD 725/13 Rev.2 (F) を通して、女性たちは4500ヘクタールのアフアの森をタガヤサン (Cassia siamea), オベチェ (Triplochiton scleroxylon) やチーク(Tectona grandis)を使って再生・回復しつつ、換金作物も育てています。このプロジェクトは、森林を再生するための中期的・長期的な必要性を考慮しつつ、女性たちの家族が生活に必要な食べ物や薪をすぐに調達できるようにすることを目指しています。

MALEBI女性グループが望んでいるのは、地域住民の森林に対する姿勢を森の管理人となるように変えていくことです。これは、一つには、地域住民が苗木の生産、苗床の設置、森林プランテーションの設立や維持、さらにはアグロフォレストリーに従事できる力をつけることで達成できるでしょう。最近行われた世界銀行の森林投資プログラムによるプロジェクト視察のミッションでも認められたとおり、本プロジェクトはコートジボワールの他の地域あるいは国外でも行える大きな可能性があります。

今年の国際森林デーのテーマは、木が地域コミュニティーに欠かせないエネルギーを供給する重要な役割を果たしていることを認めて、「木質エネルギー」です。国連食糧農業機関(FAO)によると、世界的には推定24億人の人々が料理や暖房のためのエネルギー資源として木に頼っています。

BRAVE PAYSANで放映されたITTO プロジェクトPD 725/13 Rev.2 (F)の下で行われたMALEBIによるCassia siamea を使った植林に関するビデオをご覧ください。  
BRAVE PAYSAN で放映されたMALEBI 女性グループによる木炭生産に関するビデオをご覧ください。
FAOが制作した2017年国際森林デーのショートビデオをご覧ください。
 
 (1)MALEBI提供による数値。