アジア太平洋地域の森林には保全と利用、そして貿易のバランスが必要

2016年2月19日

ITTOと世界資源研究所(WRI)がアジア太平洋林業ウィークでストリーム“繁栄への道”を主催

2月22日(月)からフィリピンのクラーク経済特別区で始まるアジア太平洋林業ウィークでは、アジア太平洋地域の発展にとって森林財や環境サービスの国際貿易がいかに重要であるかを明らかにします。
 
ストリーム1「繁栄への道:未来の貿易と市場」(ITTO、世界資源研究所主催)では、様々なイベントを実施し、アジア太平洋地域の林産業や林産物の国際森林貿易と市場に関心のあるスピーカーに焦点を当てます。そして、森林の社会的・環境的価値を維持しながら森林財や環境サービスの国際貿易を継続して、同地域の経済的繁栄に確かに貢献し続けることができるよう、提言を生み出す予定です。
 
林産物貿易は最近の世界的な景気後退からは回復しているものの、まだ安定的とは言えません。この地域における森林の持つ重要な経済的役割を維持するには、森林保全、森林再生、費用対効果を考えた効率的な木材や森林財の生産などのバランスを取ることが求められます。
 
ストリーム1のテーマは以下の通りです。
  • 林産物の国内市場はアジア太平洋地域で急速に成長を続けています。このことは過去には木材輸出市場に焦点を当てていた木材産業にとっては重要な変化と言えます。
  • 中国の景気減速、特に住宅市場の需要減少は、アジア太平洋地域の木材産業に影響を及ぼします。
  • アジア太平洋地域は今後、中長期的に見て大きく成長していくでしょう。よって、林業についても現存する一次林や保護価値の高い森林への負の影響を回避するためにも持続的に管理された木材資源を必要とします。
  • ASEAN経済共同体を介した地域経済統合プロセスは、森林と木材貿易に強い影響を与えるでしょう。また、同プロセスは森林への悪影響を及ぼさないようにし、野生動物や木材の不法取引ネットワークの増大を防ぐためにも慎重に実施されるべきです。
  • アジア太平洋地域における森林ガバナンスと貿易の動向は、新しい木材合法性規制を踏まえて変化してきています。同地域の主要木材消費国では現在、西洋の木材消費国ですでに実施中の木材合法性義務と同様の措置を開発中です。
  • 森林業界団体は、政府と木材産業界との間の重要な橋渡しとして機能するだけの能力を持っており、そしてこの両者の連携は強化されるべきです。
  • 非木材林産品や環境サービスを対象とする新しい市場が出現してきています。一般的にこうした製品やサービスは過剰に規制され、過小評価されるものですが、実は食料安全保障と地域社会の生活にとっては重要な役目を果たします。
 
ストリーム1は2016年2月23日13時30分よりクラーク経済特別区(フィリピン、パンパンガ州)ウィダスホテル(マカオホール)において開催予定です。