ITTO and FAO launch a policy brief “Rewarding the service providers”

2014年6月23日

ITTO とFAOは6月23日、第22回FAO森林委員会(COFO)の環境サービスへの支払い(PES)に関するサイドイベントにおいて政策概要「サービス提供者への利益還元」を発表しました。この政策概要は2014年4月にITTO、FAO及びコスタリカ国立森林金融基金(FONAFIFO)が共催した熱帯林の環境サービスへの支払いに関する国際フォーラムでの協議の成果として出版されたものです。

この政策概要のねらいは、熱帯林には環境サービスを提供する重要な役割があること、また、利益享受者が森林保有者または森林サービスの管理者に対して支払いをする必要性が増していることについての政策立案者と一般市民の認識を高めることです。この概要にはPESスキームの理論的な根拠と制約が示されており、さらにPESスキームを拡大するための鍵となる提案が打ち出されています。

ITTOのエマニュエル ゼメッカ事務局長はサイドイベントの議長として、熱帯林がきわめて重要な環境サービスを提供していることを強調しました。つまり、熱帯林は大切な集水域と生物多様性を保護し、地域の気候を調節する役に立ち、さらに巨大な二酸化炭素の「掃除機」であると同時に再生可能なバイオマスの生産者でもあります。ところが今のところ、熱帯林の環境サービスから享受を受けている大半の人や企業は熱帯林に対してほとんど支払いをしていません。 

ゼメッカ氏と他の講演者はサイドイベント及びCOFOの本会議において、熱帯林保有者と管理者に収入を提供し、持続可能な森林経営(SFM)の経済競争力を高めることによって、環境サービスへの支払い(PES)スキームが以下のことに貢献することを強調しました。
  • 農村地の貧困の軽減
  • 森林破壊の減少
  • 劣化した森林地の再生の活性化
  • SFMの拡大