TFU:熱帯林ニュースレター

29 No. 1
コンゴ川流域の森林教育を発展させる
これまでも、林業の専門知識は単に(森林)公園に足を踏み入れるだけで習得できるものではありませんでしたが、持続可能な森林開発の様々なニーズを満たすことは次第に複雑な業務となっています。今日、森林従事者は、森林生態学、測樹、計画立案、経済学のような従来の分野に加えて統合型ランドスケープアプローチ、参加型森林経営、新規の技術、気候変動といった分野にも精通していなくてはなりません。
ITTOが10年以上前にコンゴ川流域の5カ国を対象として実施した調査では、当該準地域の持続可能な森林開発の実現に必要な有資格者が不足していると結論づけられました。本調査以降、ITTOはこの課題に取組むため数プロジェクトを実施しました。その最後となるのが2012年から2019年に5カ国に所在する主要7つの育成機関に対して実施したコンゴ川流域準地域プロジェクトです。このプロジェクトは持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の特に目標4(質の高い教育をみんなに)に寄与しました。今回のTFU最新号ではその成果をいくつか紹介しています。
コンテンツ
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事務局長から
by Dieterleアフリカの森林セクターにおける教育と研修の改善が持続可能な森林開発、効率的な国内加工、持続可能なサプライチェーンを実現するのに不可欠です。 -
アフリカにおける森林教育の必要性
by Amanubo高等森林学習の質を高めるための変化が緊急に求められていると次世代森林従事者は話します。 -
持続可能な森林経営(SFM)の中心地で教鞭を執る
by Kachaka and NkwinkwaITTOが実施した準地域プロジェクトはコンゴ川流域における森林教育を強化しました。 -
カメルーン・国立森林学校(National Forestry School)
by Sadeu, Seka and MbockITTOが実施した準地域プロジェクトはムバルマヨに所在する本校の職員の能力強化、新規の現場機材と建物の整備を通じて教育プログラムの向上に寄与しました。 -
カメルーン・ジャング大学(University of Dschang)
by Temgoua, Oyono and TchambaITTOの準地域プロジェクトを通じた支援によって大幅に改善した講義・現場主体学習を学生に提供することが可能となりつつあります。 -
コンゴ共和国・国立農学・林業学校(National School of Agronomy and Forestry)
by N’ZalaITTOの準地域プロジェクトによって本校は現場機材の改修と校舎の整備を行い森林教育の前途が明るくなりました。 -
コンゴ民主共和国・地域大学院(Regional Postgraduate School)
by DiansambuITTOの準地域プロジェクトはこの大学院の大学院学位課程と既存の研修課程の実施能力の強化につながりました。 -
ガボン・国立水・森林学校(National School of Water and Forests)
by NkoumakaliITTOの準地域プロジェクトにて本校に新規の機材と校舎が備わり校内施設を最新化することができました。 -
進化する合法性を基盤とした木材貿易
by Storck and OliverITTOの独立市場監視(Independent Market Monitor:IMM)プロジェクトは欧州連合と2カ国間パートナーシップ協定(voluntary partnership agreements:VPA)参加国との間の貿易に関する最新年次報告書を公表しました。 -
市場動向
by Chipeta産業化を夢みて:アフリカが長く先延ばしにしてきた森林産業の目標を達成するには? -
新型コロナウイルス感染症が熱帯林セクターにもたらしている混沌
by ITTO事務局新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止措置は熱帯木材セクターには壊滅的な影響を及ぼしています。 -
会議一覧
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