合法かつ持続可能なサプライチェーンの推進

2021/03/10

ベトナム・ダナンの工場で作業員がイスのパーツに最後の仕上げを施している。写真撮影:J.C. Claudon/ITTO

サプライチェーンは、商品やサービスの計画、調達、加工、製造、納入に関わるビジネスプロセスのすべての段階に関連する組織、活動及び手法から構成されています。合法かつ持続可能なサプライチェーンは、環境や社会への悪影響を最小限に抑え、水やエネルギー利用、汚染、労働者の待遇、バイオセキュリティ、周縁化された人々(marginalized people)、生物多様性、土地利用といった課題に対処するものを指します。ITTOは、木や森林を活用した自然主体の気候変動対策は、合法かつ持続可能なサプライチェーンを通じた持続可能な経営下にある森林の金銭的価値を高めることでのみ完全に達成され得ると考えています。合法かつ持続可能なサプライチェーンは、長期的な資源基盤を維持し、特に農村地域における「木材安全保障」、生計及び収入を提供するためにも不可欠です。

持続可能な熱帯木材サプライチェーンへの移行にはこれを仲介する機関が必要です。ITTOなどの国際機関は、サプライチェーンの小規模経営者やその他の利害関係者のキャパシティビルディング、持続可能なサプライチェーンの要素の調査・実証、知識と技術の共有において重要な役割を果たします。

サプライチェーン分野でのITTO事業の全体目標は、熱帯木材セクターにおける合法かつ持続可能なサプライチェーンの継続的な発展の中でベストプラクティスやガバナンスを強化することです。ITTOは、小規模経営者やその関連組合を含む熱帯地域の生産者や取引業者と協力して、複雑な場合が多い合法かつ持続可能なサプライチェーンの基準や条件を満たす能力の強化に努めています。ITTOはまた、合法かつ持続可能なグローバルサプライチェーンの振興のため、中国その他の大手の木材仕入企業とも協力しています。2019年10月、ITTOと公的・民間セクターを代表する幅広いパートナーは中国・上海で国際フォーラムを開催しました。本国際フォーラムでは、30社を超える大手の木材仕入企業が、森林が有す経済的、社会的、環境的な価値の認識を促し林業の全工程に合法性と持続可能性を取り入れる自発的なネットワークの創設に合意しました。