アフリカ木材加工と貿易のために共通ビジョンを

2016年3月1日

コートジボワールの工場における社内研修活動の様子。ITTOプロジェクト事業の一環として、効率性改善のためにこの研修を実施。このような能力開発プログラムがアフリカの木材セクター発展のためには必要。写真提供:T. Yanuardi(ITTO事務局)

コートジボワール、アビジャンで先週行われたワークショップにおいて、アフリカ地域間でより広範囲にまとまり共通ビジョンを持つことが、付加価値を持つ木材セクターの発展・貿易にとって不可欠であるとの見解が示されました。
 
2016年2月24日~26日にかけて、ITTOプロジェクトPD 700/13 Rev.2 (I)における事業の一環として、ITTOとコートジボワール水と森林省の共催でアフリカの熱帯木材ならびに木材製品の産業・貿易開発についての経験と教訓の共有に関する地域ワークショップが行われました。
 
木材・木材製品に付加価値をつけ、アフリカ内での貿易を拡大することはすなわちアフリカ大陸の社会・経済開発を促進するということになりますが、そのためには様々な課題に対応していく必要があり、その中には地域的アプローチが必要とされることもあります。ワークショップでコートジボワール水と森林大臣のダクリー・タブレイ氏は、アフリカ諸国が持続可能な森林経営を実現し、効率的な森林産業を発展させるためには共通のビジョンを持つことが必要だと力説しました。また、参加者は貿易に対する関税と非関税障壁、付加価値木材製品の加工についての戦略、林産物のクロスボーダー取引、アフリカ地域の非公式部門の役割と統合、国内市場、さらなる木材加工における能力開発、林産物・貿易に関するデータ収集などについて分析しました。
 
各国地域および国際機関、民間部門、その他ステークホルダー合わせて80名以上が本ワークショップに参加しました。ワークショップでは主に以下の提言が出されました。
  • アフリカ諸国の木材市場と木材の流通についてさらに研究し、データや市場情報の信頼性を向上させる必要がある。
  • 森林と貿易政策は、丸太輸出の禁止も含めてアフリカ地域の経済社会の中で調和を取るべきである。
  • アフリカ大陸が木材需要と天然林の環境変化に適応できるようにするために、商業木材のプランテーションを推進すべきである。
  • 木材製品の製造工程と製品の品質を向上させるために能力開発が必要である。
  • 森林セクターと開発銀行との関係を強化するよう努めるべきである。
 
ITTOプロジェクトPD 700/13 Rev.2 (I)の次段階の実施に際し、これらの提言ならびにその他のワークショップの成果が役立てられる予定です。同プロジェクトでは、森林セクター産業の発展、技術移転、革新的な資金メカニズムとアフリカ貿易の促進を目的としています。