Community forestry important for REDD+, say speakers at UNFCCC side-event

2015年12月4日

ITTO / MOECAF / MOEF / FA / WRI / BI共同サイドイベント「INDC(各国約束草案)におけるREDDプラス:熱帯地域におけるコミュニティー森林経営から得たガバナンスの教訓」の講演者と参加者の様子。写真提供:ITTO事務局

「コミュニティーフォレストリー(住民参加型森林管理)はINDC(各国約束草案)にREDDプラスを盛り込みたい国にとって不可欠なアプローチとなります。」国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(UNFCCC COP21)のITTO共催サイドイベントで、このように言及されています。このサイドイベント「INDC(各国約束草案)におけるREDDプラス:熱帯地域におけるコミュニティー森林経営から得たガバナンスの教訓」は2015年12月1日にパリ(フランス)で開催されました。
 
サイドイベントではインドネシア、カンボジア、ミャンマー各国がUNFCCCに提出した約束草案(INDC)に盛り込んだREDDプラスの役割について検討しました。また、長期的な気候変動目標を達成し、REDDプラスの策定と実施をしていく中でコミュニティーフォレスト管理(住民参加型森林管理)を強化し、コミュニティーフォレスト管理の実践と教訓から得られる森林ガバナンスの構築を行っていくために、INDCとの関連においてREDDプラスを推進していくにあたっての問題が提示されました。さらには、オンライン上の透明性のあるマッピングアプリケーション:グローバルフォレストウォッチプラットフォーム(英語)が紹介されました。このアプリケーションは世界中の森林で何が起こっているかをほぼリアルタイムにデータで提供するシステムです。
 
講演者(REDDプラス、気候変動、森林政策の各専門家)は以下の通りです(各講演資料は下記よりダウンロードが可能)。
  • ナー・マスリパティン、インドネシア環境森林省(MoEF)気候変動局長(マスリパティン氏の基調講演は同省REDDプラス事業部長のノヴィア・ウィダニンチャヤ氏が代理発表)
  • チェン・キムサン、カンボジア林業局長
  • タウン・ナイン・オー、ミャンマー環境保全・森林省 森林研究所長
  • チャールズ・バーバー、世界資源研究所森林プログラム 森林合法性アライアンスおよびガバナンスリレーションズ ディレクター
この会議には政府関係者や国際機関の代表者、二国間援助機関、研究機関やNGOからおよそ200名が出席しました。会場からの質問は次の通りです。地元コミュニティー(そのほとんどが遠隔地に位置する)による森林資源管理についての課題;そうした地元コミュニティーがグローバルフォレストウォッチプラットフォームを利用できる方法;REDDプラスがインドネシア、カンボジア、ミャンマーではトップダウンかボトムアップのどちらのガバナンスアプローチで実施されているのか; 地元コミュニティーによる情報へのアクセスと現場での効果的モニタリング;地域による環境保全を支援するために成功した生活改善活動;人間活動に起因するインドネシアの森林火災に関連した森林法施行;カンボジアのREDDプラスプロジェクトで得られる森林炭素の売却;2030年までにミャンマーのコミュニティー森林プログラムの目標を達成する上で効果的なマルチステークホルダーの参加。
 
コミュニティーフォレストリーは将来のREDDプラス実施のための最も重要なプラットフォームの一つであると講演者は強調しました。また、森林保全と持続可能な森林経営を促進していくためには、継続してコミュニティーフォレストリーへの支援を強化して、レベルアップを図ることが大切だと訴えました。
 
本サイドイベントはITTO、ミャンマー環境保全・森林省(MOECAF)、インドネシア環境森林省(MoEF)、カンボジア林業局(FA)、世界資源研究所(WRI)、バードライフインターナショナル(BI)の共催で実施しました。