US$16.8 million in new funds for tropical forests

2011年のITTC次期議長 Joachim Bile Allogho氏(ガボン)が現議長ダニエル・ビルヒマイヤー氏(スイス)に2010年のITTC理事会が成功を収めたことを祝す。写真: K. Sato/ITTO

テーマ別プログラムによって追加資金を獲得。11の新規プロジェクトが発足、外部会合への資金も約束される。 

国際熱帯木材理事会(ITTC)は第46回理事会の閉会挨拶で熱帯林の保全と持続可能な経営、そして熱帯林資源の利用と貿易に関しての1680万米ドルの追加資金を発表しました。そのうち、450万米ドルがパイロット事業であるテーマ別プログラムの"熱帯林における森林破壊・森林劣化の減少及び環境サービスの強化(REDDES)" へ、1230万ドルがその他のテーマ別プログラムと新規プロジェクト、活動に充てられます。
 
国際熱帯木材機関(ITTO)の管理機関である理事会は、少なくとも年1回開催され、持続可能な森林経営と熱帯木材貿易を促進するための広範な議題について協議を行います。
 
理事会で支援が約束された資金によって、13件のプロジェクトと1件の予備プロジェクト(2件の現在実施中のプロジェクトを含む)がサポートを受けます。その中の新規プロジェクトのひとつは、グアテマラでの統合的森林火災管理の促進であり、もうひとつはカメルーン、コンゴ、ガボンでの越境保全地帯のさらなる開発です。また、タイとカンボジア間のエメラルドトライアングル地域の保全と管理に対しても、かなりの資金提供を受けました。さらには、インドネシアにおける非木材森林製品の持続可能な利用を促進させるための事業やブラジル、アマゾン川流域の地域森林経営への支援に対する資金にも充てられます。他には、中国での持続可能なマングローブ林管理や、世界のマングローブ地図(2010年出版、英語)へのフランス語とスペイン語版への増刷資金なども含まれます。一次産品共通基金(CFC)はITTOの事業を引き続き支援し、カメルーンでの木質燃料プロジェクトとコンゴ川流域での木材加工について資金を提供します。
 
パイロット事業である4件のテーマ別プログラム実施に対しては、理事会で約束された550万米ドルが支援を受けますが、その内およそ100万米ドルが森林法施行と地域での森林経営と参加、貿易と市場の透明性に関するITTOのテーマ別プログラムに使われます。2011年始めに予定している提案募集がこれらのテーマ別プログラム内での新たなプロジェクトとなります。
 
また、およそ300万米ドルがITTOの2010年から2011年の2年間におけるいくつかの事業へ提供されることが約束されました。気候変動に関する事業と森林経営に関する報告にも資金提供を受けました。四半期ごとの熱帯林ニュースレターと隔週発行の市場情報サービスに関しても継続できる資金がBali Partnership Fund (BPF)を通し得られました。追加資金についてはITTOの実施中プログラムである絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)リストに掲載されている熱帯木材種要件実施と広報、普及活動に与えられます。フリーザイラー奨学基金もまた理事会により承認され、この貴重なプログラムが引き続き奨学金をその値する候補者に提供できることになりました。
 
理事会における資金提供国は日本、ノルウェー、スイス、米国、ドイツ、中国、フィンランドと韓国です。またBPF、一次産品共通基金(CFC)、加盟国の機関、民間企業なども含まれます。すべての新規資金提供を受けたプロジェクトと活動のリストについては次号のITTO熱帯林ニュースレターで記載予定です。
 
第46回国際熱帯木材理事会(ITTC)ではいくつかの重要な決定事項を採択しました。そのうちの一つは、長期的解決策としてITTOの本部所在地である横浜以外での理事会開催への資金提供が挙げられます。ITTCはこの決定事項に沿って、2011年の第47回理事会をグアテマラのグアテマラシティーで、2012年の第48回理事会は横浜、そして2013年の第49回理事会をガボンのリーブルヴィルで開催することを発表しました。その他の決定事項はITTOとCBD, CITESとの関係を正式化すること、ITTOの資金調達について、より柔軟な仕組みを作ることなどです。理事会はさらに、偶然にもITTO設立25周年にあたる2011年の国際森林年でのITTOの活動に資金を提供する決定も採択しました。また、現ITTO事務局長のエマニュエル・ゼ・メカ氏が2期目(2011年~2015年)に再任されました。
 
理事会はまた、2006年の国際熱帯木材協定(ITTA)についての加盟国の批准状況についてもレビューを行いました。現在発効している条約である1994年のITTAを引き継ぐこの新条約発効が遅れている理由は、加盟国の批准ペースが遅いことにあります。いくつかの加盟国は現在批准にあたっての最終段階を迎えており、その結果次第では2011年には新条約が発効されることになります。