ITTO事務局長、世界野生生物の日に、ワシントン条約との強力なパートナーシップを称賛

2024年3月3日

2024年3月3日:シャーム・サックルITTO事務局長は、2024年の世界野生生物の日に際し、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora: CITES)事務局に提供したビデオメッセージの中で、絶滅のおそれのある熱帯樹種の保全が喫緊に必要であると主張するとともに、ITTOとCITESの強力な協力パートナーシップを紹介しました。

世界野生生物の日(World Wildlife Day)は毎年3月に開催され、野生動植物による私たちの生活と地球の健康への貢献を称えます。

サックル事務局長は「ITTOとCITESは20年以上にわたって協力し、熱帯樹種のCITESへの登録に関して各国を支援し、EUと米国を中心とするドナーの援助により広範なプログラムを実施してきました。」と述べました。

ITTOは加盟国と直接協力し、持続可能な森林経営を通じて熱帯林の野生生物と生物多様性の保全を実施しています。主な事業内容としては、国際レベルでの政策ガイダンスの策定や、加盟国がそれらの政策を地域の状況に適応させ、自国の森林で試験的に実施するのを支援するプロジェクトへの資金提供が挙げられます。

「ITTOとCITESの共同事業では、アフロルモシア、ビッグリーフ・マホガニー、ラミン、エボニー、ローズウッドなど、CITESに登録されている象徴的な熱帯樹種の管理を改善するとともに、森林と貿易のガバナンスを強化することに重点を置いてきました。」と、サックル事務局長は述べました。

最近、ITTOは、サンプル収集とDNA/安定同位体分析によってワシントン条約付属書II掲載種のアフロルモシア、アフリカンチェリー、クマル、イペ(後者2種の登録は、2024年末の予定)による製品の地理的な位置情報であるジオロケーションの特定を可能にするプロジェクトに資金を提供しました。

「これらのプロジェクトで生み出されるテクノロジーとデータベースは、2024年世界野生生物の日のテーマ『人と地球をつなぐ::野生生物保護のためのデジタル・イノベーションの探求』に貢献する具体的なデジタル・イノベーションです。」とサックル事務局長は語りました。

また「絶滅の危機に瀕している熱帯樹種の管理・保全の強化は、象徴的な樹種が人類に無数の恩恵を提供し続け、生態学的に重要な役割を果たし続けるために、国際機関や国際社会がどのように協力できるかを示す良い事例と言えます。」と述べました。

サックル事務局長のメッセージビデオはこちら

関連するSDGs

DNA/安定同位体の収集と分析に関するITTOの最近の取り組みにより、ワシントン条約付属書II記載種に由来する製品のジオロケーションの特定が可能になりました。種の持続可能性の管理とモニタリングを改善するデジタルイノベーションの一つと言えます。

DNA/安定同位体分析に基づくジオロケーションの使用することにより、ステークホルダーはワシントン条約規制に対する理解を向上させることができます。

ITTOは加盟国やパートナーと協力し、持続可能な森林経営を通じて熱帯林の野生生物と生物多様性の保全を実施します。

ITTOとCITESは、長年のパートナーシップにより、増え続ける木材種のCITES付属文書への記載を各国が実施できるよう支援しています。