インドネシア木材市場、4月はプラス圏へ ―世界木材指標(GTI)最新レポート

2023年5月16日

インドネシア・北スマトラで輸出用に積み込まれる木材製品。写真:Ir. Herman Prayudi

2023 年 5 月 16 日、横浜:パイロット7カ国の木材セクターを追跡する世界木材指標(GTI)の2023年4月版のレポートでは、インドネシアで木材市場が持ち直していることが明らかになりました。4月のインドネシアのGTIは50.6%で、追跡開始以来初めて基準値(50%)を上回りました。GTIの値が50%を超えることは、同セクターの成長を示しています。

他のパイロット国については、あまり良いニュースはありません。ブラジル(39.6%)、コンゴ(26.3%)、ガボン(42.4%)、メキシコ(44.1%)では4月にGTIが基準値の50%を大きく下回り、回復の兆しが見えません。マレーシアは4月にGTIが8.5ポイント上昇し、木材市場がある程度回復している様子が見られましたが、GTIはまだ30.5%と基準値を大きく下回っています。

中国では、木材・木材製品の新規受注が4月を含めて3ヶ月連続で増加しており、生産量と原材料購入量がともに増加し、GTIは55.8%となりました。

GTIパイロット国は、合法的かつ持続可能な木材取引を促進し、木材セクターを活性化させるためにさまざまな施策を講じています。例えば、中国とガボンは、林業における交流と協力をさらに深めていくと宣言しています。マレーシアのプランテーション事業・商品省は、プランテーション、農業、畜産、漁業、林業を網羅する国家バイオマス行動計画を策定し、持続可能な循環経済の実現を目指しています。

また、GTIに参加する企業からも積極的な提案がなされています。例えばメキシコでは、林業に関わる会社や政府機関がデジタル技術を活用して効率化を図るよう、企業が提案を行いました。コンゴの企業は、コンゴ盆地での木材需要を高め、木材市場の発展を促進するために、政府部門の連携を強化するよう提言しています。

GTIは、ITTO、マカオ貿易投資振興院(IPIM)、グローバル・グリーン・サプライチェーン(GGSC)の事務局との共同作業の一環として開発され、約160社の企業や会社も参加しています。木材貿易に関するビジネス情報やデータ交換を促進し、安定的で透明性が高く予測可能なビジネス環境において、ステークホルダー間の協力を促進することを目的としています。

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