熱帯木材の市場、未だ回復せず

2023年4月14日

ガボンの家具ショールーム。写真:ITTO

2023年4月14日、横浜:パイロット参加国7カ国の木材セクターのパフォーマンスを追跡する世界木材指標(GTI)のGTIレポートの最新号では、ブラジル、コンゴ、ガボン、インドネシア、マレーシア、メキシコではいずれも、3月に木材市場が縮小し続けたことが明らかになりました。

GTIは、ITTO、マカオ貿易投資振興院、グローバル・グリーン・サプライチェーン・イニシアチブ(GGSC)の事務局との共同作業の一環として開発されたもので、約160社の企業・法人が参加しています。その目的は、木材貿易に関するビジネス情報とデータの交換を促進し、安定的で透明性が高く予測可能なビジネス環境において、関係者間のコラボレーションを促進することです。

GTIレポートによると、ブラジルとマレーシアの3月のGTIは、ブラジルで4.1ポイント(42.2%)、マレーシアで0.9ポイント(22%)低下しました。両国とも5ヵ月連続で、GTIが基準値である50%を下回りました(50%を下回る場合、セクターの縮小を意味します)。コンゴ、ガボン、インドネシア、メキシコでは3月にGTIが上昇しましたが、依然として50%の基準値を下回っているため、セクターは依然として縮小していると言えます。

一方、中国の木材製造業は、3月に2ヶ月連続で受注と生産が増加し、中国の木材市場の回復を示すポジティブな兆しとなりました。中国の木材セクターのGTIは53.9%で、2月より1.5ポイント上昇しました。

全体として市場の勢いがないため、パイロット国は木材産業のパフォーマンスを最適化しようと努めています。例えば、コンゴは丸太の輸出を禁止した後、木材加工産業のための2つの経済特区を設立しています。インドネシアは、イギリスとアメリカ市場でのビジネスチャンスを掴もうとしています。市場回復を促進するため、メキシコのGTI参加企業はオンライン取引プラットフォームの開発を提案し、ブラジルのGTI参加企業は製材所の生産性を高めることを提案しています。

世界木材指標のGTIレポートは、パイロット7カ国それぞれの状況を詳細に分析したものです。毎月発行される各レポートは、www.itto.int/ja/gti/ からオンラインで無料で入手できます。

最新のGTIレポートはこちらからダウンロードできます(英語)。