ワーキンググループがITTOプログラムラインの目標案を発表

2020年11月11日(水)の主な協議内容
第56回国際熱帯木材理事会(ITTC)の第3日目、ITTO 新規財務構造の実施にかかる臨時ワーキンググループ(ITTO Ad Hoc Working Group on Implementation of ITTO’s New Finance Architecture)のジェニファー・コンジェ(米国)、ジョン・リー(ペルー)共同議長がITTOの4つのプログラムラインに対する目標案を発表。

 

2020年11月12日:11日、オンライン開催中の第56回国際熱帯木材理事会(ITTC)ではITTO新規財務構造の実施にかかる臨時ワーキンググループ(Ad Hoc Working Group:AHWG)のジェニファー・コンジェ(米国)、ジョン・リー(ペルー)共同議長が報告書を発表し、主に、既に合意されている4つのITTO新規プログラムラインの目標(第55回ITTC理事会で採択済み)について述べました。ITTCの要請により、AHWGはプロジェクト申請書の策定および資金提供、通常プロジェクト周期の合理化とコンセプトノートアプローチの指針となる目標設定に取組んだものです。

ITTO新規財務構造の実施にかかる臨時ワーキンググループ(AHWG on Implementation of ITTO’s New Financing Architecture)は各プログラムラインに対し3つから5つの目標を立て、合理化された新たなプロジェクト周期について詳しい発表を行いました。コンジェ氏はITTC出席者に対し、4種類の資金協力シナリオの概要を述べ、ITTCが整備した「情報を得た上でのネットワーク上フィードバックループ(“virtual informed feedback loop”)」がプロジェクト周期に一層透明性を加え、資金協力について協力機関と合意に至る前に加盟国が事務局に意見や評価を提供することが可能となると説明しました。

この議題について、コートジボワール、欧州連合(EU)、インドネシア、パナマ、ペルー、スイス、米国、市民社会諮問グループ(Civil Society Advisory Group)、貿易諮問グループ(Trade Advisory Group)、生産国代表者が発言しました。目標案とプログラムラインの包括性、財務構造とその他の事務措置の実施にあたり試験的プログラム・アプローチを運用可能にする必要性、以前のプロジェクト周期で既に提出されたプロジェクト申請書の取扱い、新規財務構造での各国フォーカルポイントの役割といったコメントが主に出されました。

本議題とその他の議題についての詳細な議論内容は第56回ITTCの最終報告書にまとめられる予定です。

第3日目のその他の協議内容:

  • ビョルン・マルケルITTC議長は、試験的プログラム・アプローチの実施にかかる助言を事務局長に行うために2019年にITTCが立ち上げた諮問委員会の報告書を発表しました。諮問委員会は引き続き、2022年末に終了予定の試行期間中に4か月毎に会合を開きます。
  • 33生産国(720票)、24消費国(825票)が今次理事会に出席したことで、ITTCは定足数に達したとの通達を受けました。
     
第3日目には経済、統計、市場に関する委員会(Committee on Economics, Statistics and Markets:CEM)と森林産業に関する委員会(Committee on Forest Industry:CFI)が合同会合を開きました。両委員会はプロジェクト3件、事前プロジェクト1件に対する資金供与を承認し、関連政策活動について議論し、新型コロナウイルス感染症を受けた移動制限が緩和されるまでの今後のプロジェクト事後評価の延期を決定しました。両委員会は今週再度会合を開き、共通議題を話し会う予定です。

CEM・CFIは、フィリピン森林管理局(Forest Management Bureau)を実施機関とし、国家森林資源モニタリングシステム(national forest stock monitoring system:NFSMS)の開発・試行を目的として2013年から2019年にかけてフィリピンで実施したプロジェクトを正式に完了としました。同プロジェクトに対してはオーストラリア、日本、韓国、米国が資金協力を行いました。

ITTO事務局のリー・チアンシステムアナリストから、同プロジェクトが設立したNFSMSは「切り株に戻って(back to the stump)」という追跡体制を有し、これによって樹木が森林から一次加工を経て材木となるまで追跡することが可能であると報告しました。NFSMSには様々な用途がありますが、製造・加工流通過程の実証手段にもなります。

NFSMSではQRコードが利用でき、運搬木材が合法的な原産地に由来し証明可能な森林で収穫されたことを証明するVLO証明が発行できます。フィリピンで取引される木材や森林製品が合法的に供給されているという証明でもって、NFSMSは合法性確認メカニズムとしての機能を果たします、とリー氏は述べました。

フィリピン環境天然資源省(Department of Environment and Natural Resources)は、NFSMSの全国的な導入計画を進めており、森林管理局は、このシステムの対象を合板、ベニヤ、輸入丸太・材木に広げることを目指しています。


ITTCは毎年開催され(同年に複数回開催される場合もあります)、持続可能な熱帯林経営の促進と持続可能な方法で生産された熱帯木材の貿易の促進を目指して幅広い事項が議論されます。

国際持続可能研究所(International Institute for Sustainable Development:IISD)リポーティングサービスによるITTCの報告(毎日更新、英語)は以下のウェブサイトにて閲覧できます:
https://enb.iisd.org/forestry/itto/ittc56/

フィリピンにて、ITTOプロジェクトの下で木材が追跡可能となるよう開発された追跡システムの一要素であるハンディサイズのRFIDリーダーは、在庫確認された木を起源として生産された材木に付されているQRコードを読み取るのに使用される。写真撮影:森林管理局(Forest Management Bureau)
RFIDは、フィリピンで実施されたITTOプロジェクトの活動として木材が追跡可能となるよう開発された追跡システムの一要素として丸太の切り株に付けられている。写真撮影:森林管理局(Forest Management Bureau)
マレーシア代表のPubadi Govindasamy氏が第56 回ITTC第3日目のCEM-CFI会合にて発言
CEM-CFI議長のCatherine Karr-Colque氏が第56 回ITTC第3日目に発表を行う
パナマ代表のFélix Magallón氏が第56 回ITTC第3日目のCEM-CFI会合にて発言
ITTO新規財務構造の実施にかかる臨時ワーキンググループ(Ad Hoc Working Group(AHWG)on Implementation of ITTO’s New Financing Architecture)の共同議長であるジェニファー・コンジェ氏が第56 回ITTCの第3日目に報告を行う
欧州連合(EU)代表のArgyro Zerva氏が第56 回ITTCの第3日目に発言
貿易諮問グループ(Trade Advisory Group:TAG)共同コーディネーターのBarney Chan氏が第56 回ITTCの第3日目に発言
インドネシア代表のTeguh Rahardja氏が第56 回ITTCの第3日目に発言
コートジボワール代表のAnzan née N’Guessan Ahou Christiane氏が第56 回ITTCの第3日目に発言
スイス代表のDaniel Lauchenauer氏が第56 回ITTCの第3日目に発言