生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)
生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)
日付・会場: 2024年10月21日-11月1日、コロンビア・カリ

2024年の生物多様性条約第16回締約国会議(CBD COP16)におけるITTO
2024年10月21日-11月1日、コロンビア・カリ
生物多様性は深刻な脅威にさらされています。1970年以降、世界中で野生生物の個体数が約73%減少しており(WWF 2024)、生物多様性損失の根本的な原因に対応するための断固とした行動が取られない限り、現在絶滅の危機に瀕している100万種の動植物の多くが今後数十年以内に絶滅すると言われています(IPBES 2019)。このままでは、絶滅のスピードは加速するばかりです。
世界の陸上生物多様性の4分の3を宿すと推定される熱帯林は、こうした状況において極めて重要な役割を果たしています。熱帯林は面積が18億4,000万ヘクタールと、世界の森林の45%を占め、地球上で最も多様な生態系のひとつと言えます。陸生脊椎動物の3分の2近く、樹木の80%近くの種類が熱帯林に存在しています。森林が持続可能なかたちで経営されれば、生産的で再生可能な生態系が形成され、生物多様性を支え、人間のウェルビーイングを向上させる上で重要な役割を果たします。
ITTOは加盟国との緊密な協力のもと、生物多様性にとってプラスとなる、インパクトのあるフィールドプロジェクトや活動を実施しています。
ITTOは、グローバルな生物多様性の目標を達成するため、国内および国際的な協力を強化しています。例としては、生物多様性の保全、持続可能な森林経営(SFM)の実施、劣化した森林景観の再生、森林資源の持続可能な利用の促進において、生物多様性条約(CBD)締約国および熱帯地域のITTO加盟国を支援することを目的とした、CBDとのITTOの長期的なパートナーシップが挙げられます。2010年に発足した熱帯林の生物多様性保全のためのITTO/CBD共同イニシアティブ(英語)は、地域コミュニティの持続可能な生活を促進しながら、熱帯林の生物多様性への脅威に取り組む国々を支援しています。
10月21日から2024年11月1日まで、国際熱帯木材機関(ITTO)はコロンビアのカリで開催される生物多様性条約第16回締約国会議(CBD COP16)に積極的に参加します。
Peace with Nature(自然との平和的共生)をテーマとするCOP16は、2022年12月にカナダのモントリオールで開催されたCOP15で「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を採択して以来、初めての生物多様性締約国会議となります。会議では、世界が自然と調和しながら生きていくための政策の道筋を見出すことに焦点が当てられる予定です。
コロンビアのカリで開催される以下のイベントで、生物多様性に関するITTOの取り組みの最新情報を紹介します。ぜひご参加ください!
2024年10月19日(日)
2024年 生物多様性キャパシティビルディングと能力開発フォーラム(The 2024 Biodiversity Capacity-Building and Development Forum)
会場:コロンビア、カリ、イベントセンター”Centro de Eventos Valle del Pacifico”、プラザ1、CG1 Malpelo
第1回生物多様性キャパシティビルディング・開発フォーラムは、「昆明・モントリオール生物多様性枠組の文脈における生物多様性国家戦略・行動計画実施のためのキャパシティの強化」をテーマに、2024年10月19日に開催されます。本フォーラムは、事務局がコロンビア政府(COP16議長国)、生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)アクセラレーター・パートナーシップ、および、その他のパートナーと協力して開催するものです。 フォーラムの使用言語は英語で、通訳は提供されません。
2024年のフォーラムでは、現状、ニーズアセスメント、行動計画に関する締約国の視点についてのパネルディスカッション、および、提供者、NGO、その他の利害関係者の視点からのNBSAPの能力開発の経験と教訓に関するパネルディスカッションの2つなどが行われる予定です。その後、ワールド・カフェ・セッション形式で、モデレーターとともにラウンドテーブルでの議論を行う予定です。
2024年10月25日
生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)フォレストデー
会場:グローバル・バイオダイバーシティ・フレームワーク・パビリオン、ブルーゾーン
時間:10:30-11:30 (GMT-7)
持続可能な森林に基づく経済: 人と生物多様性のニーズを満たす
食料、繊維、燃料に対する需要の増加は、土地利用間の熾烈な競争を生み、結果として、森林減少と森林劣化を世界的に引き起こし、生物多様性、および、地球のウェルビーイングに必要な生態系サービスの安定的な提供に影響を与えています。世界の木材生産量は年間約40億立法メートル(m3)と記録的な水準にあり、今後もさらに増加すると予想されています(FAO 2024)。持続可能なコモディティ・サプライチェーンは、森林の減少や劣化を食い止めるだけでなく、森林に依存するコミュニティや国々の生計とウェルビーイングを確保するための鍵となります。10月25日10:40-12:45(GMT-7)にて国際熱帯木材機関(ITTO)と国際連合食糧農業機関(FAO)が共催するセッション 持続可能な森林に基づく経済: 人と生物多様性のニーズを満たす(Sustainable Forest-Based Economies: Meeting the needs of people and biodiversity)では、政策、生産、モニタリング、財政的インセンティブに関する革新的なアプローチにより、生物多様性の保全に貢献しつつ、森林の持続可能な経営と持続可能なコモディティ・サプライチェーンを促進する方法を紹介します。
詳細(英語):https://www.cbd.int/conferences/2024/parallel-meetings/kmgbf-pavilion-forests-water-day
ライブストリーミング・チャンネルからのご参加も可能です:https://cbd.interactio.com/9x5a-t4aj-hqga
ディスカッションにご参加ください!ご質問やアイディアのある方は、http://rfm@itto.intまでお寄せください。
生物多様性を促進するITTOの活動についてはこちらをご覧ください:
生物多様性と越境保全(日本語)
熱帯林ニュースレター(TFU)第30巻No.1:生物多様性への険しい道のり(英語)
国際生物多様性の日: ITTOは「計画の一部」である(日本語)
熱帯林の生物多様性保全のためのITTO/CBD共同イニシアティブについて(英語)