ITTO and the Japan International Cooperation Agency (JICA) extend collaborative efforts to 2020 and Beyond

2015年7月2日

山内邦裕JICA地球環境部長(左)とエマニュエル・ゼ・メカITTO事務局長が署名。
写真提供:T. Yanuariadi/ITTO

2015年6月30日にITTO本部事務局(横浜)においてエマニュエル・ゼ・メカITTO事務局長と山内邦裕JICA地球環境部長が業務協力協定に署名しました。

この協定では、熱帯林資源の保全と持続可能な利用のための共同活動をITTOの行動計画、二カ年プログラム、テーマ別プログラムとJICAの自然保護分野でのプログラム事業と共に促進していくことを目的としています。今後6年間の重要目標は以下の通りです。(a)熱帯林の持続可能な利用と保全に関して対象の共同事業の特定、開発、実施をITTO加盟の開発途上国からのサポートのもとでJICAからの支援と国家開発計画に沿って行うこと、 (b) ITTO加盟国の中でも開発途上国の能力育成を促進し、関心のある国と関係者との情報交換を進め、熱帯地域での持続可能な森林経営の実施を進めていくこと。なお、この協定は2010年に両機関が締結した契約を延長するものです。

本協定で確認された協力分野は以下の通りです。
 
  • 地方および地域レベルでの共同プロジェクトの開発と融資
  • プロジェクト実施における相互協力。特に準地域と地域プロジェクトの効率と効果を最大限に引き出すことを狙いとする
  • ITTOが世界全体で行っているプロジェクトの実施体験から得られる情報をJICAの行うプロジェクトの実行に協力
  • 熱帯地域での持続可能な森林経営に関し関連情報を交換し、これまでの経験を共有する
  • 森林の持続可能な利用と保全および林産業の持続可能な開発についての日本の技術情報の普及を図っていく機会を提供し、持続可能な方法で生産され、また合法的に得られた森林生産物の貿易とマーケティングを促進
  • 環境サービスへの支払いを通じて熱帯林の価値を高めるために市場と市場に基づくアプローチを推進
  • 森林防火と管理を含む熱帯林の保全、修復と再生
  • 森林保全、持続可能な森林経営および森林炭素蓄積の向上に関する取組を含む途上国における森林減少・劣化に起因する二酸化炭素ガス排出削減(REDDプラス)などの気候変動緩和・適応策に向けた森林経営
  • 森林、森林関連の愛知目標、ボン・チャレンジ、新興の森林関連の持続可能な開発目標や関連指標などを含む様々な世界規模の目標を含む国際的に合意された森林関連の目標達成に貢献する
以下は2015年~2016年の共同事業の概要と提案内容です(但し資金確保の状況次第で変更する場合があります)。
 
  • 熱帯諸国における熱帯林の保全と持続可能な利用への取組みを支援するための共同行動の開発と実施。さらに国際的に合意された森林関連の目標達成に貢献できるように支援を行う。具体的にはCOMIFAC、ACTO、SADCやコンゴ盆地、アマゾン地方、東南アジアなどの地域および準地域レベルの主要国をサポート。また、ITTOとJICAとの間での情報共有、協議、および共同事業も行い、両機関に共通で関心の高い地域や国でのプロジェクト・プログラムも実施し、協力関係を強化する
  • 両機関の知識共有、能力育成や知名度を上げるために共同イベントを下記の関連会議等で実施する
    • 第14回世界森林会議(2015年9月、於:南アフリカ共和国、ダーバン)
    • UNFCCC COP21(2015年11月~12月、於:フランス、パリ)ならびにCOP22(2016年)
    • IUCN世界自然保護会議(2016年 9月、於:米国、ハワイ)
    • CBD COP23(2016年11月、於:メキシコ、ロスカボス)
  • 両機関を訪問し、協議を重ね、出版物の共同改訂や出版、配布等を通じて知識管理の分野で協力していく。またITTO、JICAそれぞれのウェブサイトで共同活動に関する情報をタイムリーにアップロードする。その他にもJICAが設立したREDD+プラットフォーム(REDD+と関連事業をステークホルダー間で共同推進していくために設立された)にITTOが参加する
これらの共同活動を通じて、ITTOとJICAは継続して熱帯諸国における持続可能な森林経営の実施を進めるだけでなく、熱帯林資源の保全と持続可能な利用について協力を強化していきます。