環境サービス及びマングローブプロジェクト、成功

2013年11月28日

ITTOが資金援助したメキシコとパナマのプロジェクトはマングローブの保護と修復の推進に成功すると同時に地元の住民に生計手段を与えました。写真:R. Carrillo/ITTO

第49回国際熱帯木材理事会の二日目にあたる11月26日、環境サービスに対する支払い、マングローブ、植林地から伐採された木材及び沈香材の分野におけるプロジェクトに関するレポートがコンサルタントによって報告されました。

事業終了後の評価報告によると、これらのプロジェクトは期待以上の成果を出すとともに重要なインパクトを与え、事業終了後も継続的に成果を出して成功を収めています。プロジェクトの事後評価からITTOの事業が森林内及び周辺に住む住民の生活向上に貢献していることがわかりました。

環境サービスに対する支払の分野では、ITTOが資金援助をしたコロンビアのプロジェクト2件が評価されました。これらのプロジェクトは京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の下で環境サービスに対する支払の資金供給メカニズムを構築することを目的としています。これらのプロジェクトは炭素排出を軽減し、オフセットクレジットを利用して持続可能な森林経営に資金提供をするという政策と戦略を国家レベル及び地域レベルで実施した点で成功を収めています。プロジェクトの直接の成果の一つは、環境サービスを特定し数量化して価値を与えたことと、地域コミュニティーの住民が森林資源を破壊することなく生活の糧を得られるよう研修を受けたことです。また、これらのプロジェクトは米州開発銀行の資金援助による植林プロジェクトや木材・非木材森林産品の収穫、木材種の苗床内繁殖及び木材取引に関する研修のパートナーシップ協定など、持続可能な森林経営に資金援助をするための他のイニシアティブの道しるべとなりました。

マングローブの分野では、パナマとメキシコでITTOが資金援助をしたプロジェクトが評価されました。これらのプロジェクトは、マングローブの保全、再生及び持続可能な経営を目的としました。地元の住民が木材や他の産物などを生産する活動にかかわり、経営計画の下でビジネスを発展させたりすることで、これらのプロジェクトから主に恩恵をこうむりました。 

植林地から生産された木材の利用を向上させるマレーシアでのプロジェクトも評価されました。評価報告によると、このプロジェクトは植林された樹種の特徴を適切にテストし、さらに効率よく利用するための技術移転の成果を出しました。
 
沈香材(その化学成分により香水や香の産業で需要が高い木材種のひとつ)に関しては、インドネシアのプロジェクトが評価されました。このプロジェクトにより、沈香材を生産するための植林用の樹種が特定され、200万本の木を植えたプランテーションが設立されました。絶滅の恐れのあるこれらの天然樹種の伐採を軽減し、沈香材を生産する地元のコミュニティーや中小産業の生産能力を向上させるために、沈香材を生成する病原菌を木に接種するための標準的な方法とプランテーションの経営に関する研修が行われました。