Partnership to sustain tropical forests launched

ITTOJICAとともに共通目標に向けて取組みを開始

2010年9月3日、横浜
 
国際熱帯木材機関(ITTO) と国際協力機構(JICA) は2010年9月3日、今後4年間における緊密な連携に関する文書を合意しました。
  
ITTO事務局長のエマニュエル・ゼ・メカ氏は、合意された文書の調印式で次のように述べました。“我々は皆、熱帯林資源の保全と持続可能な利用が重要であると認識しています。そしてその熱帯林が熱帯地域の国々の持続可能な開発において重要な役割をもたらすことも知っています。熱帯林は、地球上の大多数の生物多様性を担い、人類にとってかけがえのない財産として、特に地域社会でその生活手段としての役割を果たしています。このたびの合意文書に基づき、我々はJICAとの協力を強化し、より一層、熱帯林資源の保全と持続可能な利用を促進できることを期待しています”。 JICA副理事長の大島賢三氏も“ITTOとJICAは共通の目標を持っていることで多くの共同事業を今日まで行ってきたことからも、熱帯地域での最も効果的な事業を行っていきたい”と応じました。
  
本契約の主な目的は以下の通りです:
  1. 熱帯林の持続可能な利用と保全に関するターゲット共同事業の特定、開発、実施をITTOの開発途上国からの加盟国のサポートのもと、JICAからの支援と国家開発計画に沿って行う
     
  2. ITTO加盟国の中でも開発途上国の能力育成を促進し、関心のある国と関係者との情報交換を進め、熱帯地域での持続可能な森林経営の実施を進めていく。
 
本契約で確認された協力分野は以下の通りです:
  • 地方、国、地域レベルでの共同プロジェクトの開発と融資
  • ITTOが世界全体で行っているプロジェクトの実行体験から得られる情報をJICAの行うプロジェクトの実行に協力する
  • 熱帯地域での持続可能な森林経営に関し関連情報の交換とこれまでの経験の共有
  • 森林の持続可能な利用と保全および林産業の持続可能な開発についての日本の技術情報の普及を図っていく機会を提供し、持続可能な方法で生産され、また合法的に得られた森林生産物の貿易とマーケティングを促進
  • 森林減少による炭酸ガスの空中への放出を防止したり、森林を保全することで森林に蓄えられている炭素を維持するという 環境保全策の推進によって熱帯林の新しい価値が創出される。この新しい価値の創出の促進。
  • 森林防火と管理、地域レベルでの早期警告と発見システムの開発
  • 途上国の森林減少・劣化によって排出量される炭酸ガスの量を削減するために森林を保全するというREDDプラスなどの気候変動緩和・適応策に向けた森林経営
 
ITTOとJICAは共同事業への資金調達のため密接に連携をしていきます。本契約の一年目(2010年~2011年)に実施予定の共同事業は以下の通りです(但し財源状況による):
 
  1. ITTO, JICAがともに関心を寄せるパプアニューギニア、ガボン、ブラジルを含む熱帯国において、ITTOの熱帯林における森林伐採と森林劣化の削減、および環境サービスの強化に関するプログラム(REDDES)とJICAの天然資源と森林に関するプログラムに関連した共同事業の開発と実施を行う
     
  2. 発展途上国における関係する行政能力向上と知識管理のための機会を提供する。関連する会議は、次の通りである。2010年国際生物多様性年の枠組のなかの本年10月に名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議 (CBD COP10)でのサイドイベント、本年12月にメキシコ・カンクンで開催予定の気候変動に関する国際連合枠組条約第16回締約国会議(UNFCCC COP16) 、および2011年1月にアメリカ・ニューヨークで開かれる国連森林フォーラム第9回会合 (UNFF9)である。
     
  3. 共通の関心事項に関する出版物の作成と普及活動を促進する。ITTO/IUCN熱帯生産林における生物多様性ガイドラインやREDDプラス小冊子など、一般社会や関連する諸問題へのITTOとJICAのイニシアチブに対する理解を進めていく。
本契約は2014年12月31日まで有効に存続し、相互合意のもと延長できるものとします。