ITTO、母なる地球を守るため「地球を再生させよう」という呼びかけを支持

2024年4月22日

ITTOの資金提供による再生プロジェクトの一環として、フィジーのレワデルタで、自分の村の近くの海岸沿いにマングローブの苗を植える子ども。写真:フィジー林業省

2024年4月22日:母なる地球と、人類、他の生物、地球の間の相互依存関係を称える国際マザーアース・デーを機に、シャーム・サックルITTO事務局長は、熱帯林が地球への重要な役割を果たすためには森林景観の再生が不可欠である、と述べました。 

「今年のテーマである『地球の再生』(英語)は、ITTOの取り組みととてもよく共鳴し合うものと言えるでしょう。」とサックル事務局長は語りました。「世界的に重要な生態系サービスを継続的に提供し、将来にわたって森林資源を確保し、地域の人々の生活を向上させるためには、劣化した熱帯林を回復させることが急務です。ITTOは、環境がさらに悪化する中、これらの森林を再生し、持続可能なかたちで経営するための努力を加速させる必要があると認識しています。熱帯林の保全、再生、持続可能な利用を促進することは、ITTOだけのミッションではありません―地球を回復させるための世界的な使命なのです。」

森林景観再生(Forest landscape restoration: FLR)は、劣化した森林景観を回復させるための極めて重要なアプローチであり、生態系の完全性を回復し、地域社会に利益をもたらす方法であり、生産性と経済的価値を高めることを目的としています。2020年発行のITTOの「熱帯地域における森林景観再生のためのガイドライン」(英語)は、健全で生産性が高く、回復力のある景観を作り、育てるための実践的なツールを関係者に提供するもので、18のケーススタディが掲載されています。

ITTOによる資金提供プロジェクトでは、森林景観の再生を試験的に実施し、ガイドラインを現場で検証しています。

例えばフィジーでは、2022年12月に完了したプロジェクト(英語)が、地元コミュニティをエンパワーし、沿岸の持続可能な管理を発展させつつ、レワデルタのマングローブと湿地帯を再生しました。このプロジェクトは、実証地の設置と利害関係者との協力を通じて、重要な生態系を回復させ、地域コミュニティの関与と認識を促進しました。現在は、フォローアップ・プロジェクト(英語)が実施されており、サイクロンの被害を受けたフィジーの海岸林の修復活動継続を支援しています。

コートジボワール(英語)では、ラ・パリとバウンダリの公有林におけるアフリカン・バーウッドの保全に焦点を当てたITTO資金提供プロジェクトが実施されています。このプロジェクトは、増殖技術と意識向上活動へのサポートを通じて、この貴重な種を保護するとともに、地元の生計向上に寄与しています。ペルー(英語)では、また別のITTOの資金提供プロジェクトが、北部海岸のマホガニーの生息域外保全のための知識を普及させ、修復と持続可能な森林経営の見通しを明るくしています。

国連大学が最近実施したITTOプロジェクトのレビュー(英語)からは、生態系と生計を改善し、気候変動に対するレジリエンスを高める上で、森林景観再生をより効果的に行うための貴重な教訓を得ることができました。これらの教訓は、今後の再生プロジェクトの設計に取り入れられていく予定です。

「私たちの仕事は、持続可能な利用を含め、生態系とコミュニティ双方のレジリエンスと繁栄を築くことです。」とサックル事務局長は述べました。「この国際マザーアース・デーに、私たちの貴重な地球を回復させ、守る決意を新たにしましょう。」

関連するSDGs

森林景観再生に関するITTOの活動は、コートジボワール、フィジー、ペルー、その他の国々の森林コミュニティの生計と社会経済的発展を向上させています。

森林景観再生に関するITTOの活動は、コミュニティが持続可能な林産物を生産し、それによって持続可能な生産とバイオエコノミーに貢献することを支援しています。

ITTOの資金提供プロジェクトは、森林景観再生を通じて、炭素の吸収を助け、森林劣化の要因に対処することで、気候変動の緩和に貢献しています。
ITTOの資金提供によるプロジェクトは、森林景観の再生がいかに地球の回復に貢献できるかを示すとともに、より持続可能なバイオエコノミーの一環として、林産物を生産しています。