TFU:熱帯林ニュースレター

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生物多様性への険しい道のり
生物多様性が深刻な脅威に晒されています。生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services:IPBES)によると、絶滅の危機にある植物と動物の種群は100万種に上り、生物多様性を減少させている原因に対して措置が講じられなければ、その多くが今後数10年で地球上から消滅します(IPBES 2019)。さらに、何らか行動が起こされない場合、種の絶滅速度は加速すると考えられています。
生物多様性の壊滅的な減少がどのような影響をもたらすかはあまり知られていませんが、地球にも、そして生物種としての人間にとっても、よいものではないでしょう。
熱帯林には地球上の陸域生物の4分の3が生息しており、生物多様性に生じているこの事態は極めて重大です。熱帯林ニュースレター(TFU)最新号では、熱帯林の生物多様性保全のためのITTO/CBD共同イニシアティブ(ITTO–Convention on Biological Diversity (CBD)Collaborative Initiative for Tropical Forest Biodiversity)の成果を取り上げています。2010年に開始したこのイニシアティブは、熱帯林の生物多様性への脅威に対する各国の対策を支援しつつ地域住民による持続可能な暮らしの追求を実現させています。
コンテンツ
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論説
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事務局長から
by DieterleITTOでの任期を終えて -
空席情報 — ITTO事務局長
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2つの機関、1つの目的
by Thompson, Blaser and Feurer開始後10年が経過した熱帯林の生物多様性保全のためのITTO/CBD共同イニシアティブ(ITTO–Convention on Biological Diversity (CBD)Collaborative Initiative for Tropical Forest Biodiversity)は、熱帯林における生物多様性保全の改善を目指しており、多大な成果をあげています -
レワデルタ(Rewa Delta)の再生
by Ramulo, Lal and Maフィジーの沿岸地域住民や女性にエンパワーメントを行うことは、良好で強靭かつ生産的なマングローブ林にとって不可欠です -
ミャンマーのタニンダーリ山脈(Tanintharyi Range)のゾウ、ヒョウ、暮らし
by Naing Oo, Lwin and MaITTOのプロジェクトは、タイとの国境付近にあるこの紛争地域で生物多様性保全の取組を開始しました -
新たなITTOプロジェクト監査枠組の導入
by KawaguchiITTOは最善とされた財務会計方法をプロジェクト実施機関に対しても適用します -
フェローシップレポート
by Gutierrez2009年のITTOフェローが2020年に2度目のフェローシップを授与。専門家としての道をさらに切り開きます -
市場動向
by Adams2021年、ヨーロッパでは繰延需要が表出し巨額の世帯貯蓄が一気に緩む可能性があります -
熱帯関連トピック
by Sato -
最近の刊行物
by Sato -
会議一覧
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