Status of Tropical Forest Management 2005

Latin America & the Caribbean

メキシコ

メキシコ

©UNEP-WCMC 2004

メキシコの森林経営は、温帯域のマツおよびオーク林、亜熱帯地域の森林、南部の湿潤熱帯林の間で大きく異なっている。森林破壊の程度は緩やかになってきたようであるが、依然として高い。森林資源の過剰伐採と違法伐採は蔓延しており(熱帯地域の方が温帯地域よりもその程度が低い)、多くの地域で持続可能なレベルを超えている。コミュニティ経営が森林経営の主要形態であるが、多くの場合、コミュニティは森林を持続可能な方法で経営するために必要なものを備えていない。コミューン(ejidos)の閉鎖林地域の持続可能な経営への進歩を阻む問題としては、森林資源の経済的利用のための資源とノウハウの欠如、そしてコミュニティ、民間セクター、森林当局の間に目標のずれがあることがあげられる。一方で、森林認証においては良好な進歩がみられる。但し、今までのところその多くは熱帯外である。さらに、政府は林業セクターの欠点に対処するための手段を講じており、違法伐採と森林火災に対処すべく努力している。

キーポイント

  • 森林破壊の程度は緩やかになってきたようであるが、依然として高い。
  • メキシコは公式にPFEを指定していない。ITTOが推定するところでは、約1,360ヘクタールが熱帯PFEを構成し、うち788万ヘクタールは自然林生産PFEであり、560万ヘクタールは保護PFEであり、10万ヘクタールは産業木材プランテーションであるとみなすことができる。
  • SFM下にある自然熱帯生産PFEの面積は少なくとも11万1,000ヘクタールであると推定される。これは認証自然熱帯林の総面積に相当する。この地域外の森林経営については、より広範な熱帯生産PFEを推定する情報が不十分である。
  • メキシコの熱帯生産PFEの経営状態についてはデータがない。
  • 約8,500の ejidos とローカルコミュニティがメキシコの森林の推定80%を所有している。15%は私有であり、5%は国有地である。
  • 2003年に制定された森林法が ejidos の森林を含む生産林経営について規定している。独自の森林/環境法を制定している州もいくつかある。
  • 自然林経営の財政的実現可能性の低さがいくつかの ejidos におけるSFMの採用を妨げているようである。
  • 国家政府は違法伐採と森林火災への対策手段を取っているが、いずれの問題もいまだに広く存在している。
  • 熱帯における自然林の潜在的生産力は推定140万m3であり、現在の(公式な)生産力をはるかに上回っている。
  • 土地利用をめぐる継続的な紛争は明らかにいくつかの地域においてSFMを阻んでいる。
  • いくつかの森林は保護地域と分類されているが、私有か共有である。そしてその保護状態は不明である。