Status of Tropical Forest Management 2005

Latin America & the Caribbean

ホンデュラス

ホンデュラス

©UNEP-WCMC 2004

ホンジュラスにおける現在の広葉自然林経営は、ときに林業的経営というよりも最も価値の高い樹種のみを抽出することに終始している。森林経営計画にうたわれる林業的方策や保全の方策は無視されていることも多く、過剰伐採地域が劣化する危険性がある。違法伐採は蔓延しており、合法的に生産された木材や木材製品と競合する闇木材セクターを潤している。保護林地域は明確に範囲を定められておらず、遠隔地にある森林地域を森林劣化や森林破壊から保護することが困難になっている。一方、近年、森林を持続可能な開発に統合させるため、違法活動や腐敗を克服し、森林関連機関を強化する試みが行われている。産品や環境サービスの源としての森林の重要性が認識され、森林法が改正中である。課題は、法や政策の良好な理論的枠組を現場での効果的な実施に移すことであろう。

キーポイント

  • PFEは推定159万ヘクタールの生産林と160万ヘクタールの保護林から成る。
  • 生産PFEの少なくとも18万7,000ヘクタールは持続可能な方法で経営されている。持続可能な方法で経営されている保護PFEの面積を推定するための情報は不十分である。
  • 広葉樹湿潤林はホンジュラスの持続可能な開発に大きく貢献しうる。但し、木材生産の潜在性は不明である。
  • マツ林の経営規範が策定され、いくつかの森林で実施されている。湿潤林の持続可能な経営のための規定も存在するが、あまり明確でない。
  • 違法伐採は横行していると考えられる。
  • 保護林地域の広さと状態は明らかでない。森林保護地域によって与えられた保護レベルに関するデータはほとんどない。
  • 多くの保護地域は土地転用による脅威にさらされている。
  • ホンジュラス森林行政アジェンダ(Honduras Forestry Agenda)の一環として、森林法制の改正と近代化が2002年に開始された。しかし新法はまだ制定されていない。
  • 森林保有権は特に公用地において紛争の対象となっている。大規模な湿潤林について所有の状態が不明である。
  • 概して、森林行政には、適切に法を執行し森林経営を行うための財源とスタッフが不足している。