Status of Tropical Forest Management 2005

Latin America & the Caribbean

ブラジル

ブラジル

©UNEP-WCMC 2004

ブラジルは多種多様な動植物の宝庫であり、他のどんな国よりも多くの既知種が生息している。アマゾンは単一の区域としては最大の熱帯雨林であり、その86%は未だ手つかずのままである。対照的に大西洋側の森林は元の面積の7%に満たない(とは言え、未だ幅広い生物多様性を保有している)。ブラジルにおける森林管理の最も重大な問題は、インフラストラクチャーの未整備、多くの森林が商業と制御の中心地から離れていること、土地利用としてのSFMの競争力の弱さ、熱帯木材産業の競争力のなさ、フルコスト価格設定の欠如と低コスト木材の豊富さ、深刻な経営スキル不足、そして法規制執行の欠如である。今日までアマゾンのハイレベルな生物多様性は開発の資産ではなかった。この地域の開発が、おそらく加速度的に、続くとするならば、その生物多様性という資源を、経済的に利益がありかつ持続可能な方法で利用する方法を緊急に探す必要がある。政府はSFMに対する組織的な障壁への対処を進めており、近年の数多くのイニシアチブは、アマゾンのSFM生産PFE地域が今後大きく拡大していくことを期待させる。

キーポイント

  • ブラジルは豊富な森林を持つ国であり、熱帯林PFEは3億7,000万ヘクタールである。森林破壊が進んでいる地域もあるものの、アマゾン地域には未だ膨大な森林資源がある。
  • 自然熱帯林生産PFEの推定136万ヘクタールは持続可能な方法で経営されている。持続可能な方法で経営されている保護PFEの面積を推定する情報は不十分である。
  • アマゾンの広範な地域は、その遠さゆえ、現在、森林破壊やその他重大な人為的行為による脅威にさらされていない。
  • ブラジルは、原材料の持続可能な供給を確保するため、民間投資を通じて大規模な産業森林プランテーションを設立することに成功した。
  • 生産林の大半は民間所有であるが、所有権と保有権の紛争は大きな問題である。
  • 森林経営を促進しSFMを達成するため、広範な政策、戦略、法、規制が開発されてきた。
  • 組織的な弱さと、政策および政策手段を執行する能力の不適格さが重大な妨げとなっている。
  • 経営計画があるのは森林のほんの一部に過ぎない。木材生産のかなりの量が、民間の供給源に由来するものであっても、無認可であることが報告されている。それは正式な承認に基づいていないからである。収穫がどのSFM基準にも基づいていないことも多い。
  • 数多くの企業がその森林経営事業の自主的認証に前向きに取り組んでいる。しかし、代替土地利用されている自然林におけるSFMの経済的競争力は低いことが多い。このことは重大な森林破壊につながり、持続可能な方法で経営されている自然林の長期的実現可能性を脅かすものである。