1570万米ドルの新たな資金が熱帯林に投入

2013年11月30日

第49回理事会の閉会式で、次期理事会の議長となるロブ・ブシンク氏(オランダ)が伝統となった額入りの小槌を今期理事会議長、ホセ・トリニダド・スアゾ・ブルネス氏(ホンジュラス)に贈っているところ。写真:R. Carrillo/ITTO

新事業9件とナレッジ・マネジメント戦略が開始

国際熱帯木材理事会は11月30日、第49回の理事会の閉会時において2013年のITTOの事業に対する資金が1570万米ドルに達し、そのうち1000万ドルが今回の理事会で誓約されたと発表しました。

この資金によりITTOの目的を遂行するためのフィールドプロジェクトと政策活動が開始され、プロジェクトは熱帯木材生産国の次の分野の支援をします。フィジーの森林再生、インドネシアのスマトラにおける高価値の在来木材種の保全、マレーシア半島における環境にかかる負荷の少ない伐採法の能力強化、パプアニューギニアにおける森林減少・劣化に由来する排出の削減(REDD)基準の作成、コートジボアールの国家森林情報システムの稼働、アフリカの森林の持続可能な経営の促進、ペルーにおけるマングローブの保全、パナマのダリエンにおける森林ガバナンス及びベニンの森林認証。
 
ITTOの政策活動への資金援助により、次のような活動が実施されます。中小規模の森林関連企業の炭素クレジットスキーマの実証、ITTO-CITESプログラム、環境サービスの持続可能な森林経営への貢献に関するより深い理解の促進、森林景観再生のグローバルパートナーシップに関する活動への貢献、熱帯木材製品の環境製品宣言の進展、熱帯天然林の持続可能な経営に関するITTOガイドラインの普及及びITTOの活動のさらなる普及のためのナレッジ・マネジメント戦略の実施などです。その他に、フリーザイラフェローシップ基金に追加資金が拠出されました。

欧州連合(EU)はITTO・EU間で結ばれた協定に従い、熱帯諸国との間で交渉された自主的二国間協定下でEUに入ってくるFLEGT(森林法の施行・ガバナンス・貿易)の承認を受けた木材に関する独立した市場監視システムを導入するために、ITTOに400万ユーロ―(約543万5000ドル)を拠出することを発表しました。

2013年における資金拠出国は日本、欧州連合、オーストラリア、アメリカ合衆国、スイス及び韓国です。ITTOのバリパートナーシップ基金及び民間セクター(丸紅、INDENA SAS)からも資金供与がありました。新規に資金援助をうけたプロジェクト及び活動に関してはITTOのウェブサイトに詳細がのります。

第49回理事会では持続可能な森林に関する興味深いトピックのサイドイベントもいくつか開催さました。その中にはDNA指紋検査法と安定同位体を使用したアフリカにおける木材種の識別及び木材追跡システム、FSC木材認証、またITTOの市民社会諮問グループが主催した今日の状況下での小規模及びコミュニティ森林企業があります。また、理事会の議題のひとつに貿易諮問グループが主催したITTOの年次市場討論があり、今年のテーマは「市場における合法性の需要を満たすための貿易のアプローチ」でした。
 
第49回理事会の閉会式では、オブザーバーとして参加した赤道ギニア共和国と南アフリカ共和国がITTOに近い将来参加する予定であり、加盟国になるための最終手続きを行っていることを表明しました。EUもまた、EUの新加盟国であるクロアチアがITTOの新規の加盟国になることを発表しました。

理事会は国際熱帯木材機関(ITTO)の統治機関です。毎年少なくとも一度開催され持続可能な森林経営と持続可能な方法で生産された熱帯木材の貿易の促進を目指した広範囲な問題を討議しています。第50回の理事会は横浜で2014年11月3日から8日まで開催される予定です。

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