アフリカでのITTOプロジェクトの評価に関する新しいポリシーブリーフを発表
2022年8月18日

パムベレカム森林保護区の森林再生が行われた地区に立つ地域の農業従事者たち。ガーナはITTOプロジェクトの実施国の一つ。写真:Emmanuel Antwi Bawuah
2022年8月18日、横浜:ITTOが今週発表したポリシーブリーフで、西・中部アフリカにおける10件のITTOプロジェクトが「実施国の森林、森林経営、地域コミュニティに重要かつポジティブな影響を与えた」と評価されました。
ポリシーブリーフ『アフリカの森林における協働事業のための教訓』(原題:Lessons for Working Well Together in African Forests)は、10件のプロジェクトの教訓をまとめ、ITTOとアフリカ開発会議(TICAD)の今後の協力分野について提案するものです。TICADは、国際社会の知識と資源を動員してアフリカのさらなる発展を支援することを目的に、1993年に日本のイニシアティブにより開始されました。
シャーム・サックルITTO事務局長は「日本に拠点を置く国際機関であるITTOは、アフリカにおける持続可能な林業をさらに強化し、同地域におけるITTOの目標達成の一助とするために、TICADと緊密に協力することが重要だと認識しています。」と述べています。
ポリシーブリーフでは、2010年から2020年の間に承認され、ITTO戦略的行動計画2013-2021の下で実施・完了した10件のITTOプロジェクトの事後評価に関する報告が行われています。プロジェクトのうち6件は西アフリカで、4件はコンゴ盆地の複数の国家間で実施されました。ITTOの総予算は約1220万米ドルで、主に日本政府が拠出しており、その他の拠出国にはオーストラリア、ベルギー、中国、ドイツ、スウェーデン、スイス、米国の各国政府が名を連ねています。また、被援助国からも多額の資金や物品が提供されました。
プロジェクトは、森林景観の再生、持続可能な森林経営、高等教育における森林教育の強化、木材追跡、林業に関する統計の改善、コミュニティ林業など多岐にわたります。
例えば、ベナンでは、ITTOプロジェクトによって42の「聖なる森」が法的に認められ、区画され、シンプルな森林経営計画が策定されました。150ヘクタール以上の聖なる森が価値の高い樹種の苗木で豊かになり、一部の地域では動物相が再導入されました。地元の人々は、アグロフォレストリー、養蜂、魚の養殖、非木材林産物の生産と取引など、プロジェクトを通じて導入された収入創出事業から恩恵を受け続けています。
ポリシーブリーフによると、10件のプロジェクトの実施から得た教訓は、ITTOとTICADのより広い協力の枠組みに適用し、将来のプロジェクトの成果改善に活用することができます。これは、両組織がアフリカの国々が持続可能な開発を追求するのを支援するために取り組む上で、重要なことです。
「ITTOとTICADの強力なパートナーシップは、アフリカの加盟国に恩恵をもたらすと確信しています。例えば、アフリカでの林業の持続可能な開発の促進に対して強い関心を持つドナーが多くいることから、十分な初期資金があれば、彼らから融資を受けられる可能性があります。」とサックル事務局長は言います。
本ポリシーブリーフは、日本政府からの資金提供により作成され、英語、フランス語、スペイン語、日本語で提供されています。事後評価の完全な報告書は、2022年11月に開催予定の第58回国際熱帯木材理事会で発表される予定です。