ペルーの民間組織が森林セクター改革を提案
2022年6月9日

ペルー、マドレ・デ・ディオス州。クマルの丸太に識別番号を記載している。写真:Camara Nacional Forestal
2022年6月9日、横浜: ペルーの企業、専門家協会、NGO、大学などで構成された民間組織CNF(Cámara Nacional Forestal)は、ITTOの支援を受けて、新たに出版物を作成、発表しました。本冊子は、ペルーの法的枠組みにおける最近の動向を把握するとともに、森林セクターを近代化し、現在および将来の課題に対応する能力を高めるための提案を行うものです。
2019年から2021年にかけて、ペルーの森林管理の改善を目的とした一連のテーマ別討論が、様々なステークホルダーの参加のもとで行われましたが、それらの成果の一つが同書です。議論のアウトプットは、約900人の専門家に回覧され、ソーシャルメディア上で7,000以上の反応を得ました。
同書によると、ペルーの森林セクターの国内総生産(GDP)への貢献度は1%未満であり、森林の減少や劣化が続くと、森林関連の生態系サービスが脅かされることになります。同国の商業植林地は、分散的に存在し、規模として5万ヘクタールにも満たないものがほとんどです。
同書では、生態系サービスの提供を確保し、森林の生産を増加させ、植林に基づく活発な林業を促進することができる新しい国家森林政策の枠組みが提案されています。また、森林破壊を食い止め、農業の新たな可能性を開くために、特に森林、農業、鉱業、交通インフラ部門を含む多部門にわたるアプローチの必要性について述べられています。さらに、森林景観の回復の優先、不正と違法伐採の撲滅、商業植林への投資の奨励、森林教育の改善、一貫した管理体制の確立などの対策が提案されています。
また同書は、小規模森林所有者や先住民族への技術・財政支援の拡大など、森林減少や森林劣化の原因に対処するための新たな措置を求めています。また、共通の林業目標に向けた効果的な政策策定における市民社会の役割も認識しています。
ITTOは、生産国における民間セクターの関係者の能力向上を目的とした二カ年事業計画の活動の一環として、同書の作成プロセスを支援しました。
出版物のダウンロードはこちら (スペイン語。英文要旨あり)