熱帯木材の最新歩留まりで透明性の高い貿易へ

2021年6月28日

ペルー・プカルパ(Pucallpa)にて、材木会社の従業員がまとめられた製材品に印をつけている。写真撮影:E. Sangama

横浜、2021年6月28日:ITTOは、熱帯丸太及び製材品の「歩留まり(ある計量単位から別の計量単位への換算に使われる率)」を算出した報告書を発表しました。本書は第一次熱帯木材製品の報告貿易量の正確さの向上、ひいては熱帯木材製品貿易の透明性の向上に資するものです。

フランセス・メイプルスデンとハーミッシュ・ピアーソンの執筆による本報告書は、木材密度、樹皮密度と水分含量データを使用し、重量に基づいて様々な熱帯木材種の歩留まりを計測しています。この歩留まりを用いて積み荷木材の乾燥重量を材積に変換したり、また反対に材積を乾燥重量に変換したりすることが可能です。

材積を正確に見積もることで、国毎または国際的に定められている木材要件や木材バランスを計算したりサプライチェーンの過程で違法に伐採された丸太や違法に加工された木材を突き止めたりすることが可能になるため、これは熱帯木材製品の貿易において透明性を保つために重要です。他方、材積から重量を求めることも、含有発熱量の算出やバイオマス同士の比較に用いられることから、バイオマスや炭素の生産において重要です。

本書の中で行われている調査では、熱帯生産国から輸出される153の樹種または種群が特定されています。実環境での水分含有量範囲内での(丸太については樹皮がある場合とない場合のそれぞれ)単位材積密度当たりの重量を用いて各樹種と種群に属する丸太及び製材の歩留まりが計算されました。

本調査は、ITTOの統計報告活動の改善を目指して行われたものです。正確な歩留まりの割り出しによって公表データの質の改善につながることが期待されています。

本報告書(英語)は https://www.itto.int/ja/other_technical_reports/ にて閲覧可能です。

関連するSDGs

材積を正確に求めることは熱帯木材製品の貿易における透明性を保つために重要です。これによりサプライチェーンの過程で違法に伐採された丸太や違法に加工された木材を突き止めたりすることが可能となり、合法かつ持続可能な木材生産に寄与します。