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グリーンサプライチェーンに注目する

熱帯木材サプライチェーンの一つであるカメルーンの丸太貯蔵庫をドローンで撮影。写真提供: Andrew Walmsley/TRAFFIC

熱帯木材サプライチェーンの一つであるカメルーンの丸太貯蔵庫をドローンで撮影。写真提供: Andrew Walmsley/TRAFFIC

「サステイナブル(持続可能な)」そして「グリーン」なサプライチェーン、そしてそれらがどのように生産者と消費者双方に利益をもたらしながらも森林を保護できるのかについて、最近多くの議論が交わされています。

熱帯林ニュースレター(TFU)最新号では、ゲアハート・ディタレITTO事務局長が熱帯木材のグリーンサプライチェーンが「熱帯林の所有者から最終製品の消費者に至る全てのステークホルダーに利益をもたらし、そして地球環境にも良い影響を及ぼす」と述べています(3ページ)。企業側は善良な市民としての責任からこのグリーンサプライチェーンを押し進めようと考えているかもしれません。しかしながら、中国で最近開催されたワークショップ(ディタレ事務局長が記事を執筆)によると、企業はそれだけでなくコスト削減と効率性を向上させる手段として、このサプライチェーンを捉えています。

熱帯林業には全体的アプローチが不可欠とITTOが見解を示す

第18回マレーシア森林会議において基調講演を行うシェマラ・サツール氏。 写真提供:MFC2018

第18回マレーシア森林会議において基調講演を行うシェマラ・サツール氏。 写真提供:MFC2018

7月31日から8月2日にかけてマレーシア、サラワク州クチンで第18回マレーシア林業会議「デジタル化とテクノロジーを駆使した持続可能な林業の推進」が開催されました。この会議において、ITTO事務局オペレーション担当のシェマラ・サツール事務次長は、熱帯林業セクターがグローバルニーズに最大限貢献するためには、熱帯地域における持続可能な森林経営(SFM)に対して全体的アプローチを取る必要があるとの見解を示しました。

「世界的な人口増加の影響で、今後より多くの木材、林産品、そして食糧が求められるでしょう」。「現在そして将来の課題に対処するために土地利用の管理問題を協調的に解決するためには、林業と農業の分野横断的アプローチを強化する必要があります」とサツール氏は続けました。

持続可能な森林経営には「インセンティブ革命」が必要だとITTO事務局長

政府は熱帯地方での持続可能な森林経営(SFM)を推進するためにインセンティブを提供することも含めて、より多くのことを行う必要があるとゲアハート・ディタレITTO事務局長が述べています。

「多くの国では持続不可能な生産活動を行う方が、より経費が掛かる持続可能な生産を行うよりも多くの利益を生み出せます」。「ですから私たちはどのようにして公共部門がインセンティブを提供しているか、どうすれば持続不可能な森林経営に対抗する持続可能な森林経営を促進できるか、という観点から考えた革命を必要としています」。2018年7月16日から20日かけてイタリア、ローマで開催された第24回FAO林業委員会ならびに第6回世界林業ウィークの一環として実施されたパネルディスカッション「持続可能な世界のための持続可能な木材」で、ゲアハート・ディタレITTO事務局長はこのように述べました。

森林破壊ゼロサプライチェーン達成に向けた協力が重要と専門家が指摘

世界有数の森林専門家の中には、森林生産者と熱帯木材の消費者が共に協力することが森林破壊を削減し、経済発展を促進する手段としての「森林破壊ゼロ」サプライチェーンを発展させていくことに対して不可欠だと述べています。ITTO制作のビデオで、ゲアハート・ディタレITTO事務局長と国連食糧農業機関(FAO)、国際林業研究センター(CIFOR)、グローバルキャノピー(Global Canopy)、フォレストトレンド(Forest Trends)の各代表者が、木材の供給を確実なものにできれば持続可能な森林経営を促進し、熱帯林の森林破壊を食い止めるのに役立つと語っています。また、こうした森林破壊のないサプライチェーンを実現するには、政治的意志、各自のモチベーションの高さ、良好なガバナンス、セクター間の協力、森林管理者、伐採、輸送、加工、小売企業、市民団体、政府らが必要とされると述べています。今回制作のビデオは、2018年1月に日本の林野庁、ITTO、FAOの共催によって東京で実施された森林減少ゼロに貢献するグローバル・サプライチェーンの推進に関する国際シンポジウムでの発言をもとにまとめられたものです。

熱帯の木材、竹、籐が環境に優しい材料の供給不足を解消する可能性

2018年6月末に開催された「グローバル竹会議2018(BARC2018)」において出席者は、人口増加による森林製品の需要の増加や持続可能な建材に対する供給ギャップを解消すること、そして熱帯林を保全するために熱帯木材、竹、籐セクターが協力していくべきだとの認識で一致しました。これらの熱帯製品はそれぞれが共存し、商品として相互に補完しあっており、また生態系の一部として気候変動の緩和と適応に対して重要な役割を果たしているということでも一致した考えが確認できました。

ITTOと竹籐国際ネットワーク(INBAR)は、セクター間の交流を強化するための重要な第一歩として、BARC2018の期間中に両者の協力強化を目的とした覚書(MOU)に署名しました。

中国の木材企業が共同でグローバルグリーンサプライチェーンを推進することを約束

中国で今年6月下旬に開催されたITTO主催ワークショップならびにダイアログによって同国の林産物企業大手12社(あわせて800億人民元、およそ12億米ドルの年間売上高を数える)がITTOのファシリテートによるグローバル・グリーンサプライチェーン(GGSC)の確立を呼び掛けました。

ITTOの使命は持続可能な森林経営(SFM)の促進、ならびに合法的および持続可能な資源から得た熱帯木材貿易の拡大および多様化を担うことにあります。今回、ITTOは中国国家林業局(CINFT / NFGA)国際林産物貿易センター(CINFT / NFGA)と共同で、中国北京の林業製品のグローバル・グリーンサプライチェーンに関する国際ワークショップを開催しました。会議は中国の広大な木材セクターのグリーンサプライチェーンへの関心を促進することを目指し、6月21日から22日にかけて行われました。

イベント

rssITTO イベント

CITES樹種プログラムに関する中南米地域会議
2018年9月17日~21日、ブエノスアイレス(アルゼンチン)
第54回国際熱帯木材理事会及び関連委員会
2018年11月5日~9日、横浜
第55回国際熱帯木材理事会及び関連委員会
2019年12月2日~7日、ロメ(トーゴ)

rssその他のイベント

木材工学世界会議2018
2018年8月20日~23日、ソウル(韓国)
グローバル景観フォーラムナイロビ2018
2018年8月29日~30日、ナイロビ(ケニア)
クラーゲンフルター・ホルツメッセ木材展示会
2018年8月29日~9月1日、クラーゲンフルト(オーストリア)
世界林業犯罪会議 
2018年9月4日~6日、リヨン(フランス)
第8回中国世界木材貿易会議
2018年9月16日~17日、重慶(中国)
景観管理:データから意思決定へ
2018年9月17日~19日、プラハ(チェコ共和国)