Status of Tropical Forest Management 2005

Asia & the Pacific

タイ

タイ

©UNEP-WCMC 2004

タイにおける森林管理はいくつかの要因によって制約されている。1980年代および1990年代のタイの急速な経済成長と時を同じくして、その森林資源は深刻な枯渇状態となった。自然林における伐採は禁止されたが、森林は浸食、違法伐採、森林火災、その他の要因による圧力にさらされ続けている。森林の監督官庁である王立森林部(Royal Forest Department)は、森林管理の長い歴史を持ち、資源も適度に揃っている。プランテーション(特にラバーウッド)と輸入が、現在この国の後処理プロセス木材産業の繁栄を支えている。タイ経済にとっての観光産業の重要性が、森林生産を改善するための強力な方策推進の最高の誘因となっている。

キーポイント

  • PFEは1,010万ヘクタールであると推定され、うち187万ヘクタールは生産PFE(全部プランテーション)、826万ヘクタールが保護PFEである。
  • 1991年に報告されているPFEの推定50%は農業、住居、その他の利用に転用されている。
  • 1989年の大きな被害をもたらした鉄砲水以来、自然林における伐採の禁止措置が取られている。しかし、森林の損失と劣化を食い止めるのには十分でない。
  • 自然林における違法伐採の問題が続いている。
  • 保護PFEの少なくとも52万2,000ヘクタールは持続可能な方法で経営されている。しかし概して森林保護地区の経営状態についての情報はないに等しい。
  • 森林は州の所有である。伝統的ローカルコミュニティによる保護地区を含む森林の利用および経営の権利をめぐって議論が続いている。
  • タイにおいては10年以上にわたりコミュニティ森林(Community Forestry)法案が策定・議論されている。
  • タイの木材生産は自然林から植林へ移行した。特にチークとラバーウッド、そして非木材林産物(non-forest sources of wood)は輸入で補われている。