Status of Tropical Forest Management 2005

Asia & the Pacific

フィリピン

フィリピン

©UNEP-WCMC 2004

フィリピンはその自然林のかなりの部分を損失し、木材生産はここ30年の間に劇的に低下した。この森林資源の大規模破壊に関連する問題の多くは、土地および伐採権の保有問題、そして伐採権の条件を執行する能力あるいは意志の欠如と結びついている。さらに、地方の貧困層は土地保有権を有しておらず、しばしば森林地帯に違法に居住している。近年コミュニティ森林の開発に多大な努力が払われたが、この措置がフィリピンの特に急斜面における劣化した景観の復活や、地方の収入増加に成功するか否かは、今後の成果を待たなければならない。

キーポイント

  • 1,590万ヘクタールの地域が法的に森林地帯(18%より急な斜面を持つ土地)と定義されている。しかし、実際の森林被覆下にある推定自然林PFEはわずか624万ヘクタールに過ぎず、そのうち470万ヘクタールは生産林、154万ヘクタールは保護林である。また推定27万4,000ヘクタールのプランテーションがある。
  • 自然林保護PFEの少なくとも7万6,000ヘクタールは持続可能な方法で経営されていると推定される。持続可能な方法で経営されている保護PFEの範囲は推定できなかった。
  • 過去には商業規模のコンセッション(「木材ライセンス契約(TLA)」と呼ばれるものを用いる)が伐採権を配分する主要メカニズムであったが、現在は、森林経営はコミュニティベースアプローチの下で広く行われつつある。TLAは2006年までに完全に廃止される。
  • 林業セクターによる国家経済への貢献度は近年劇的に低下し、2002年にはGDPのわずか0.05%にとどまった。
  • 一方で、推定1,800~2,000万人の人々が、生活の糧と伝統的慣習的生活様式を森林地帯(必ずしも森林被覆地帯ではない)に依存している。
  • DENRは森林経営および保護地域を管轄する政府機関である。地方分権化が近年進められている。
  • フィリピンは木材の純輸入国である。
  • フィリピンには数多くの絶滅危惧種が生息している。保護区ネットワーク685万ヘクタールのうち、推定森林面積は154万ヘクタールである。