Status of Tropical Forest Management 2005

Asia & the Pacific

インド

インド

©UNEP-WCMC 2004

インドでは州の森林部が公有森林資源の管理者であり、森林当局として機能している。木材生産は自然林から転換しつつあり、コミュニティベースアプローチの開発の刺激剤となっている。すべての森林州が森林開発公社を設立し、公有森林エステート内の生産を担当させている。森林関連の責任や森林からの利益が、いっそう地域社会と共有されるようになってきている。例えば、共同森林経営の広まりがある。これは通常、森林部と村落との間で森林地の保護と経営を共同で行う合意をするものである。さらに、農民は樹木の栽培への関与度を深め、民間セクターは森林経営への参画の度合いを増し、林産品製造業者と地元の農民とのパートナーシップが開発されつつある。しかしながら、SFMの構成要素はまだいくつか欠落している。森林資源の正確な調査、能力と機能による土地の分類、効率的な利用、そして継続的投資などである。

キーポイント

  • インドの自然林PFE推定3,910万ヘクタールは、生産林1,350万ヘクタール、保護林2,560万ヘクタールから成っている。PFEのすべてが熱帯ではない。
  • またPFEにおいて3,260万ヘクタールの植林がある。
  • 1990年代には森林分野で実質的に良好な変化があったものの、自然林の損失と劣化は続いている。
  • 生産林において、インドは作業計画の作成および定期的改正のシステムに従っている。
  • 森林の範囲と経営に関する情報は良くても断片的であり、信頼できないことも多い。
  • しかしながら、自然林生産PFE(熱帯および非熱帯)の少なくとも480万ヘクタールは持続可能な方法で経営されていると推定される。持続可能な方法で経営されている保護PFEの面積を推定するための情報は不十分である。
  • いくつかの保護地域は、森林火災、放牧、そして不適切な経営により、劣悪な状態である。
  • 森林経営は地方分権化が進んでおり、コミュニティベースアプローチがよりいっそう一般的になってきている。
  • 国家の造林プログラムは2000年に開始し、州内では森林部門レベルで、森林開発局と村落森林委員会を通じて行われている。
  • インドの木材産業は深刻な原材料不足に直面しており、非森林や外部からの原材料への依存度が高くなってきている。インドは熱帯木材、特に丸太の主要輸入国となった。