Status of Tropical Forest Management 2005

Asia & the Pacific

フィジー

フィジー

©UNEP-WCMC 2004

木材はフィジー第3の輸出品であり、木材セクターはまだ大きな成長の可能性を秘めている。しかし、所有の形態により発生した土地利用をめぐる争いが、特に自然林の森林資源を劣化させており、これがSFMの主要な障壁と見られる。その他の障壁としては、自然資源の経済的可能性を示す説得力のある証拠に欠けること(ゆえに様々な種類の非森林利用への森林の転用が続いている)、自然林における伐採標準を管理する能力が不足していること、そして製品供給と市場調査が不適切であることである。フィジーの大規模なマホガニープランテーションエステートは、経営とマーケティングが良好に行われれば、重要な発展の推進役となるであろう。

キーポイント

  • 土地所有の特別な状態により、正式なPFEはない。しかし同等の地位を持つ森林がいくつかあり、推定35万4,000ヘクタールが名目上のPFEとみなされる。
  • 持続可能な方法で経営されていると思われる自然生産林(PFEの一部であると考えられるものはない)はない。
  • 概して伐採標準は低い。保護PFEの少なくとも5万5,000ヘクタールは持続可能な方法で経営されていると推定される。
  • フィジーは高価値種であるSwietenia macrophylla (マホガニー)のプランテーション5万5,000ヘクタールを有し、このエステートの拡張を継続する計画がある。伐採は2003年に開始した。マホガニー資源をどのように経営しマーケティングするかは、フィジーの木材産業の将来に大きく影響する。
  • フィジーには軟材プランテーション資源も多く、現在、産業木材の約3分の2を供給している。
  • フィジーは1950年に策定された森林政策を、いくつかの追加を盛り込みながら、森林管理の基礎として今も使用している。しかし実施は、輸出に基づく現在の森林開発の優先順位をガイドとしている。政策見直しは最近完了した。
  • 森林被覆の保全および拡張を別にすれば、森林政策は主に、付加価値製品の効率的な加工と製造ならびに林業のトレーニングに焦点を当てている。
  • フィジーは木材製品の純輸出国であり、パインチップ、挽立材、木製パネルなどがその輸出製品である。高価値完成品の輸出も少量ながらある。これらの輸出拡大は、特にマホガニー木材が国際市場に出回ったときに、経済に大きく貢献しうる。
  • IUCNカテゴリーI-IV内の「保護」に指定されている森林面積は3,000ヘクタールである。但し、24万1,000ヘクタールは広義の保護林とされている。