Status of Tropical Forest Management 2005

Asia & the Pacific

カンボジア

カンボジア

©UNEP-WCMC 2004

カンボジアでは森林破壊が急速に広がっている。それでも尚、この国には広大な森林資源があり、堅固な木材産業を維持し、国の発展に大きく寄与する可能性を秘めている。しかしカンボジアの森林の近年の歴史は激動しており、木材セクターは混乱状態にある。伐採権制度は停止されており、無許可の木材生産が継続しているようである。最近の改革の実行と法執行の強化が緊急の課題である。

キーポイント

  • カンボジアが相当量保有している高価値生産林は、重要な経済資源である。その持続可能な利用はこの国に大きな利益をもたらしうる。
  • カンボジアは推定810万ヘクタールのPFEを有し、うち346万ヘクタールは自然生産林、462万ヘクタールは保護林、そして1万7,000ヘクタールは産業木材プランテーションである。しかしカンボジアの森林に関するデータは一貫性がなく、信頼できないことも多い。
  • 持続可能な経営下にあると考えられる生産PFEはない。持続可能な経営下にある保護PFEの面積を推定するための情報は不十分である。
  • 焼畑農業、浸食、農産業の開発、違法伐採、過剰伐採、森林火災、そして戦争中の化学薬品の使用によってかなりの森林が劣化しているが、その面積は推定されていない。
  • 森林野生動物部(Department of Forestry and Wildlife)に代わって、森林管理局(Forestry Administration)が2003年に設立され、森林エステートの管理を担当している。しかしながら、国立公園および関連保護区の森林に関して環境省(Ministry of Environment)と役割が重複しているところがある。
  • 林業セクター改革が策定されているが、効果的な実施は今後に待たれる。既存の政策、法律、規制の執行は弱い。
  • 森林伐採権の管理はお粗末である。政府は2002年にいくつかのライセンスを取り消し、要件を完全に遵守するまで残りの森林伐採権をすべて停止した。この禁止措置の明白な効果は、違法木材産業を活性化させてしまったことである。