ペルー北部のマングローブ保全地区

2021/03/12

北西~アモタペス~マングレア生物保護区(Northwest–Amotapes–Manglares Biosphere Reserve)のエコツーリズムはマングローブの重要性についての一般市民の啓発と地域住民の収入向上に寄与。写真撮影:ITTO–MDAプロジェクト

ペルーの北西アモタペ=マングラレス生物圏保存地域(Northwest Amotapes–Manglares Biosphere Reserve)(ユネスコエコパーク)はピウラ郡(Piura Province)の沿岸地域に居住するおよそ13万人に重要な資源と生態系サービスを提供しています。しかし、持続不可能な方法やその保全のための十分な資源が不足しているため、脅かされています。

ITTOのプロジェクトでは、対象地域にてマングローブの保全と持続可能な利用に向けた戦略が策定されました。主な戦略として、生物保存地域にトゥンベス国立マングローブ保護区(Tumbes National Mangrove Sanctuary)を追加することによる面積増加(23万1,000ヘクタールから96万1,000ヘクタール)、地方政府や市民社会との連携により新たに3つのマングローブ保護区(総面積は3,804ヘクタール)の創設、5つの地方政府の環境政策のマングローブ保全に重点を置く最新のものへの改定、16万USドルの公的資金の小規模サプライチェーン支援への活用が盛り込まれています。

50世帯以上がマングローブの持続可能な利用について研修を受け、広範なマングローブ生息地域への負荷を軽減しながら、エビ、クロガイや魚を持続可能な方法で生産するようになりました。エコツーリズムに関する研修によって、観光主体の地場企業が設立され、収入と地元の人々の生計手段を創出しています。

本プロジェクトによって、生産体制が環境の限界を超えない場合、マングローブの保全と生産の相互補完が可能であると実証されました。