コートジボワールの森林再生、持続可能な木炭、力を与えられた女性たち

2021/03/08

コートジボワールにて、女性組合MALEBIに所属する女性たちがのアフア(Ahua)保護林で収穫された薪を運んでいる。写真撮影:MALEBI

2009年に供与されたITTOの小規模資金協力は、コートジボワールの女性組合であるMALEBIにとって効率的で環境に優しい技術を用いた木炭の生産の改善の機会となりました。これは、地域住民の生活水準を向上させ森林保全の重要性について認識を高めるプロセスの中で起きたことです。

1回目の資金協力が成果をあげたことを受け、MALEBIは2016年に大規模なITTOのプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは炭を作るための木材の継続的な供給を目的とし、近隣のアフア保護林(Ahua gazetted forest)にある100ヘクタールの地帯に再植林を行うものです。

コートジボワールでは、75パーセント近い家庭が日々の生活に必要なエネルギ―を得るために木炭か薪を使っており、需要は高まりつつあります。アフア保護林はディンボクロ(Dimbokro)とアビジャン(Abidjan)近郊の住民が調理や暖房に必要とする木炭を作るための木材を供給しており、この木炭ビジネスは女性と若者に多くの雇用を生み出しています。

MALEBIの女性たちは木炭ビジネスに関わっていますが、森の劣化した状態を危惧するようになりました。ITTOのプロジェクトを通して、女性たちは劣化した土地をタガヤサン(Cassia siamea), オベチェ(Triplochiton scleroxylon) やチーク(Tectona grandis)といった樹種を用いて再生することに成功し、換金作物も育てています。このプロジェクトは、森林を再生するための中~長期的な必要性を考慮しつつ、女性たちの家族が生活に必要な食料や薪をすぐに調達できるようにすることを目指しています。

MALEBI女性グループは森林に対する地域住民の姿勢を変えることに成功しました。地域住民は森の管理人となったのです。これは、一つには、地域住民が苗木の生産、苗床の設置、森林プランテーションの設立や維持、さらにはアグロフォレストリーに従事するためのキャパシティビルディングによって実現しました。本プロジェクトはコートジボワール国内の他の地域又は国外でも行える大きな可能性が有しています。