メキシコの女性たちが薬用植物についての知識を共有

2021/03/09

メキシコ・ハマパ(Jamapa)のエル・ピニョナル(El Piñonal)苗床で作業する女性たち。写真撮影:G. Sánchez-Vigil

メキシコ・ベラクルス(Veracruz)州ハマパ(Jamapa)の女性たちが非木材産品(non-timber forest products:NTFPs)に関する伝統的知識の普及を目的とした薬用植物についてのマニュアルを発表しました。本マニュアルは、メキシコの海岸林がもたらす生態系サービスの価値評価を実施するITTOプロジェクトの成果物です。

本マニュアル(スペイン語のみ)は、44種類の植物とベラクルスの農村地域の伝統医学でこれらの植物を利用する際の情報をまとめています。これらの植物の多くはメキシコの他地域や諸外国でも生息するものです。植物の科学的名称及び一般的名称、植物の利用可能な部分、治療できる疾患、薬へ利用できるようにするための方法、植物の見られる地域、詳しい特性に関する情報をイラスト付きで紹介しています。

例えば、アボカドの木(Persea americana)の葉の浸出液はコレステロール及び糖尿病の治療に使用されます。レッドシダー(Cedrela odorata)の樹皮は、ヘルニアや嚢胞の治療に適用することができます。また ロウソクノキ(Parmentiera aculeata)の果実は腎臓の痛みを軽減することができます。

本マニュアルに記載の情報については、メキシコの地元女性グループであるGrupo de Mujeres del Vivero de El Piñonal が編集を担当しました。また、Instituto de Ecología という研究所でITTOプロジェクトを実施するメンバーが植物の種の特定を行い、提供された情報の検証を担いました。本マニュアルは重要で科学的な事業であるだけではなく地域社会の伝統を反映したものもであると言えます。

エル・ピニョナル(El Piñonal)グループはまた、本プロジェクトに下で苗床を整備し、地元の薬用植物や地域で利用されている貴重な樹種についての情報普及を行っています。