アフリカでは女性が農村の貧困に立ち向かっている

2019年9月19日, 横浜

アフリカでの景観再生、貧困軽減、気候変動緩和における女性の課題と役割について発表を行うREFACOF創設者・代表のセシル・ビビアン・ンジェベト氏。写真撮影:K. Sato/ITTO

アフリカの女性は難しい挑戦を引き続き強いられていますが、景観再生、貧困軽減、気候変動緩和において強力な役割を果たすことができます、とコミュニティ森林経営のためのアフリカ女性ネットワーク(African Women’s Network for Community Management of Forests:REFACOF)の創設者であり代表を務めるセシル・ビビアン・ンジェベト氏は述べました。この発言は先8月、横浜で開催されたTICAD7でITTOが実施したサイドイベントでのンジェベト氏のスピーチの中で行われたものです。

本サイドイベントは日本国外務省、横浜市および神奈川県の後援によりITTO、林野庁および国際協力機構(JICA)の共催で2019年8月28日に行われました。
 
ンジェベト氏によると、アフリカでは女性が次のような課題に直面しています:
  • 持続不可能な木炭生産や環境に負担をかけるような行いにより森林景観の劣化が進んでおり、女性が家族を養う能力を弱めつつある
  • 農村地域には女性に対して差別的な地域特有の行いや習慣があり、生計に関わる活動に従事するための土地に女性が立ち入ることが十分にできていない
  • 女性には土地や森林を所有する権利が保障されていない
  • 女性グループの組織的能力が乏しく女性の経済的エンパワメントの妨げとなっている
  • 森林セクターにおける意思決定構造に女性が十分関与しておらず、女性にとっての優先課題やニーズに注意が払われないことが多い
ンジェベト氏は参加者に対し、このような困難にもかかわらず、アフリカの女性グループは高い成果を達成しています、と語り、女性主導による農村地域の貧困に対抗し持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも資する次のようなイニシアティブを紹介しました:
  • コートジボワールでは、持続可能な森林経営、森林再生、アグロフォレストリー、持続可能な木炭生産とマーケティングの新たな技能開発を目的とした女性の地域住民の組織が設立され、女性が収入を獲得し、家族を支えコートジボワールの森林セクターで女性活躍を促すリーダーとなる助けとなりました。
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  • コートジボワールの難民、国内避難民、地域住民により劣化した森林を回復・再生するイニシアティブが、治安の安定、社会の一体性、暮らしの改善、食糧安全保障および女性のエンパワメントに寄与しました。
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  • カメルーンでは、女性がマングローブ生態系を保護・再生し、食糧安全保障、収入向上、健康改善、再生可能エネルギー、地域女性のエンパワメントに貢献しました。現在、地域女性は生活協同組合を編成しています。
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TICADは日本政府が主導し、国連、国連開発計画(United Nations Development Programme:UNDP)、アフリカ連合委員会(African Union Commission:AUC)および世界銀行との共同で開催している国際会議です。7回目となるTICAD7は2019年8月28日から30日まで開催され、およそ4,500名が参加しました。

ンジェベト氏のインタビュー(英語)を視聴する

ンジェベト氏の発表「西・中央アフリカにおける女性主導による森林 景観回復の促進を通じた地域コミュニティの貧困対策」の資料(英語)をダウンロードする