森林科学とビジネスの連携強化には投資拡大が鍵、と専門家
2024年6月25日
2024年6月25日、スウェーデン、ストックホルム:世界的な課題に対応し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する革新的なソリューションを得るためには、林業に関するビジネスと科学をより緊密に連携させる必要があります。効果的なビジネスと科学のパートナーシップを育むためには、さらなる投資が不可欠です。
これは、今週スウェーデンのストックホルムで開催された国際森林研究機関連合(IUFRO)の2024年世界大会の初日にITTOが参加した、「森林科学とビジネスの交流の拡大」と題するテーマ別全体会議で、専門家が述べた重要なメッセージです。
テトラ・ヤヌアリアディITTOプロジェクトマネジャーは同セッションに参加し、持続可能な開発を促進するためのパートナーシップの活用や、民間セクターと科学コミュニティの関与と協力の促進に関する質問に対応しました。
ヤヌアリアディ博士はまず、熱帯地域における持続可能な森林経営(Sustainable Forest Management: SFM)と持続可能な木材取引は、木材需要を満たすだけでなく、複数のSDGsの達成にも貢献していると指摘しました。
合法的かつ持続可能な供給源からの熱帯木材の貿易拡大を促進するというITTOの使命を鑑みると、ITTOは加盟国がSDGsに向けて前進するのを支援する絶好の立場にある、とヤヌアリディ博士は述べました。
支援の例としては、熱帯におけるSFMに関するガイドラインや政策、フィールドプロジェクト、市場情報、熱帯木材の生産と貿易に関する独自の統計データベース、2023年に発足し毎年開催されるグローバル・リーガル&サステナブル・ティンバー・フォーラムのような専門的な国際イベントなどがあります。
このような支援の大部分は、「森林に関する協調パートナーシップ」のメンバーなど、目標を同じくする他の組織との緊密な協力やパートナーシップを通じて開発・提供されています。ドナー国や地域組織もITTOの重要なパートナーです。関連する例として、2021年から2022年にかけて実施された世界森林教育プロジェクトでの協力が挙げられます。
次に、ヤヌアリアディ博士は、民間セクターと科学界との関与と協力を奨励する上で、地域の能力を構築し、適切な政策枠組みを開発すること― ITTOの取り組みの重要な要素の一つ ― の重要性について述べました。
ヤヌアリアディ博士は、ITTOのような組織、および、森林に依存するコミュニティ、政府機関、研究者や木材会社などの他の利害関係者が関与する広範な取り組みは、熱帯林の減少を食い止め、革新的なソリューションを生み出し、地球を持続可能な軌道に乗せるための願いとツールが利用可能であることを示していると述べました。
「SFMについてのしっかりとした政策と能力は、官民混合の投資を促し、民間セクターと科学界の協力を促進する上で重要です。」とヤヌアリアディ博士は語りました。
同セッションでは他に、スウェーデン森林産業連合会の事務局長のヴィヴェカ・ベックマン氏、持続可能な開発のための世界経済人会議の森林ソリューショングループ・ディレクターのベルナール・ド・ガランベール氏、ブリティッシュ・コロンビア大学森林学部教授兼学部長のロブ・コザック氏、そしてモンディ・グループの繊維調達グループのヘッドであるディルク・レンギン氏が登壇しました。
2024年IUFRO世界大会におけるヤヌアリアディ博士のインタビューはこちら:
https://youtu.be/bz3DOYWcuko?si=e4TLfqfmVs1opTfu