国際青少年デーへの祝福と熱帯林の未来のための活動
2022年8月12日
2022 年 8 月 12 日、横浜:今年の国際青少年デーのテーマは「世代間の連帯:すべての世代のための世界をつくろう」(英語)であり、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために、すべての世代の潜在的な力を活用することの重要性を強調しています。ITTOでは、フェローシップ・プログラムなどの様々な方法で、若者たちに投資しています。
現在募集中のフェローシップ・プログラムは、人材育成を促進し、熱帯林業および関連分野の専門知識を強化するものです。1989年の設立以来、49カ国の1,400人以上の若手・中堅の専門家が、このプログラムを通じて専門的な能力開発の機会を得て、キャリアアップを果たし、熱帯地域における持続可能な林業の向上に貢献しています。
メキシコのチワワ自治大学(Autonomous University of Chihuahua)に所属するコロンビアのサンドラ・ロドリゲス・ピネーロス氏は、韓国のソウルで開催された第15回世界林業会議に出席することを目的として、2021年にITTOフェローシップを獲得しました。プログラムの支援によって、彼女は会議の開幕前に行われたサイドイベントで、ソーシャル・フォレスト・アントレプレナーシップ(森林に関する社会起業の取り組み)についての研究成果を共有することができました。
「3時間のサイドイベントには、10カ国から16人の学生が参加しました。」と、ピネーロス氏は述べました。「学生たちの評価はポジティブなものでした。ソーシャル・フォレスト・アントレプレナーシップは木材や非木材製品をベースにした持続可能なビジネスアイデアを自分たちの国やコミュニティで開発するために不可欠なスキルであると捉え、より一層学ぶことが重要だと理解してくれました。」
インドネシア出身のスリ・ムルヤティ氏は、保存科学の博士号取得のための現地調査を目的に、2020年にITTOフェローシップを獲得しました。授与から1年半が経過した現在、彼女は、ITTOフェローシップ・プログラムによる支援が「パンデミックのときはもちろん、通常時でも学生にとって大きな支えになっています」と話しました。
ムルヤティ氏は学業を終えたら、環境森林省の元の役職に戻る予定です。
「そして、学んだことを活かして、インドネシアの保護地域に関連する争いを改善することができればと思います。」と彼女は語りました。
コートジボワールでは、シリル・バイ-ティッセ氏が、フェリックス・ウフェ=ボワニ国立工科大学(Félix Houphouët-Boigny National Polytechnic Institute)の農学研究科博士課程における研究の一環として、2015年にプログラムの支援を受け、リモートセンシング(遠隔計測)と地理情報システム(GIS)を用いて、トンキピ(Tonkpi)州の山岳地域で、水の浸食に対する土地の感度をマッピングする研究を実施しました。彼は、研究の成果が自治体や地域社会で活用されることを目指して、発信を続けています。
「トンピキ州で、地方議会、環境省の担当官、地元選出の議員を集めてワークショップを開催し、博士論文の成果を発表して、この地域の参加型管理に関する意識を高めようと考えています」とティッセ博士は述べました。
世代を超えた知識を育むための最近のITTOの活動としては、ITTOによる合法的で持続可能なサプライチェーンに関するオンラインコース(英語)や、国際森林研究機関連合(International Union of Forest Research Organizations:IUFRO)との共同作業による高校と大学向けの森林景観再生学習モジュール(英語)があります。
シャーム・サックルITTO事務局長は、「能力開発と教育は、ITTOのミッションを達成するための『戦略的行動計画2022-2026』の分野横断的な戦略の一つです。」と語ります。「能力開発は常にITTOの活動の中核をなしてきました。林業が、私たちの共有する未来の中心的存在となりつつある今、若い専門家に投資し、世代間交流の機会を提供することは、イノベーションを引き出し、健康で持続可能な地球を目指して熱帯林の可能性を最大限に実現するために、より一層不可欠です。」